2019年夏のカザフスタンと東ヨーロッパ遠征(カザフスタンの香なんですが、ツイッターのタグには良くてもブログタイトルには微妙だったなあ)のキシナウでの2日を書いたのが1月だったということで本人も驚いているのですが、続きを進めます。
今回は、モルドバ共和国北部の街、ドロキアで過ごした2泊のエントリーです。
8月19日の昼の列車でドロキアに向かいました。
キシナウの駅は大通りからは外れているのですが、宿泊した「キシナウホテル」からは近くて便利です。大通りから外れていると言っても、駅の横にショッピングモールやスーパーマーケットがあったり、当日は市場も開かれていて活気のある場所で、一部の国でみられるような治安の悪さは感じませんでした。
実は列車の切符は前日のうちに買っておこうと窓口を訪ねていたのですが、当日に来いと追い払われていたのでやや心配して駅に向かったのですが、私の乗った車両の乗客は自分含めて4人も居なかったと思います。
今回、私の乗車したドロキアに停車する列車はキシナウ発モスクワ行きの47列車です。これ以外に、夜にキシナウを出発するモスクワ・サンクトペテルブルク行き・ミンスク行きなどがありますが、いずれもドロキアの到着は深夜なので使い勝手は悪いですね。
始発駅からガラ空きの3等寝台。
モルドバ国内の利用者は座席車という事もなく普通に寝台を割り当てられるので、長時間の乗車も快適です。
列車がキシナウに入線するとき、食堂車が連結されているのを見たので、車掌に食堂車は営業中かと訊ねると、営業中とのこと。
まあ入ってみると、職員が複数人で休憩中だったしメニューも無くてスープとパンだけと言われたので本当に営業中だったのか怪しいのですが、とにかく食堂車で食事を頂けました。
モスクワ-キエフの夜行列車に食堂車が付いていなかったので、今回の旅で初食堂車となりました。そして結果的に、今日のこの日まで最後の食堂車。
モルドバはヨーロッパ最貧国などと言われていますが、国鉄沿線は少なくとも私の乗車したキシナウ-ドロキア間ではほぼ全線で携帯使えました。ロシアどころか、ドイツ、フランスなどでも駅を離れると圏外が多々あるのに、これは驚きました。
向かいの寝台の若者がいろいろと話しかけてきました。
モルドバ人の青年でしたが、彼女がウクライナ人でウクライナのラベンダー畑で写真を撮ったことを自慢されました。モルドバとウクライナの行き来は楽なのでしょうか。そして、モルドバは貧しい国だけど何を見に来たのだと聞かれたことが印象的です。キシナウはとても綺麗な街ということと、自分は国を選んでいるというより被写体を選んでいるのだと、キシナウで撮影したD1の写真を見せました。
携帯が使えるので翻訳アプリ越しのコミュニケーションも取れます。いいですね。
それにしても、なにも無い大地が続きました。季節的・気候的な都合もあるのでしょうが、緑の多かったシベリア鉄道沿線と違って全体的に茶色です。
定刻通りにドロキア駅に到着。宿も決まっているし、撮影地も決まっているのに、あまりの何も無さに途方に暮れました。
気を取り直して宿まで歩いて、一旦チェックイン。とても小さな町ですが、Booking.comに登録されている「Hotel Confort Drochia」という宿に泊まりました。この宿が現金オンリーなことをすっかり忘れていて焦りましたが、この小さな町の銀行でも両替出来て助かりました。こういう時のために、というわけではないですが、ユーロと米ドルは旅行鞄に忍ばせておくのが賢明です。
左の写真は帰り道に撮影したもので順番は前後しますが、住宅地の中をひたすら南に歩いて撮影地に向かいました。街の規模に対して住宅地が非常に広大に感じました。
街の外れにある跨線橋を目指します。住宅地を抜けると打って変わって、意外なまでに車通りの多い幹線道路です。
そして、大満足の結果。これだけ青空が広がっているのに、実は太陽の脇に小さな雲が浮かんでいて、かなり危ういところでした。
右手前はトウモロコシでしたが、奥に広がっているのはひまわり畑です。
翌朝は宿で借りた自転車に乗って街から5kmほど離れた場所を目指します。
清々しい気持ちでサイクリングと言いたかったですが、まるでサイズの合わない自転車で大変でした。5kmといえば、小田原から米神くらいの距離で、普通に歩けます。慣れない自転車でアップダウンの激しい道を無理に走るくらいならゆっくりウォーキングが良かったかもしれないです。
ともあれ、ひまわり畑の真ん中に到着。
朝の北行きの列車が順光になる数少ない撮影地で無事に撮影。
前照灯は非点灯だし、こちらの先頭は国旗も描かれてないのは少し残念に思いましたが、仕方ないですね。
自転車を借りているので、郊外にある製糖工場の廃墟?でも行こうかなあとか、日中の客レ撮影しようかなあとか、思ったりもしていましたが、先に書いたようにまるで体格に合わない自転車で少し漕いだだけで疲労困憊。しかも日中のモルドバは暑いので、早々に部屋に撤収しました。
夕方に関しては、前日の到着後に曇られた際の予備というつもりだったので部屋に籠っても良かったのですが、折角なので跨線橋近くまで…今度は線路際に降りようかなあなんて思ったんですが、どこから降りるか分からない。斜面も緩いから適当に降りようかと思ったのですが、よく足元を見ると草という草に白いカタツムリみたいな物体がみっしりと付着していてあまりの気持ち悪さに撤収。
翌日、夜行バスでウクライナに入るために、11時前の列車でドロキアの南にあるバルティという街に移動しました。1時間少しの乗車です。
地図を見るとそれなりに大きな街に見えたので、喫茶店でひたすら時間を潰せばよいだろうと考えていたのですが、気軽に入れそうな店もなく…チェーン店もなく…これは困ったぞと。
既に時間は午後だったので、チェックイン時間を過ぎているホテルを探してシャワーだけでも浴びて時間を潰そうと思って、Booking.comから適当に予約を入れたのですが、これが民泊だったので管理人と連絡途絶して部屋に入れず、待ちぼうけ。
結果、街の中心部の公園で暇にしていました。暇なだけなら良いんですが、モルドバはかなり暑いんですね。大変な街でした。
夕方になると一気に涼しくなるので、過ごしやすくなるとストレスもやや解消されたように思います。暑いの良くない。
バスターミナルに喫茶店っぽいのはあるので居座っても良かったんですが、どうも居心地の悪そうな店で良くないです。
ただ、警察も巡回しているし、別に治安が悪い雰囲気ではないので、ベンチで待つ分には悪くありません。警察は酔っぱらったホームレスを何人か退去させていたので、そこらへんはちゃんとしてるんでしょうね。
出発が21時半とかだったのでひたすら夜まで待っていたのですが、このバスの始発はキシナウなんですね。ドロキアから列車でキシナウに戻って、キシナウからバスに乗れば良かった気がします。
今回の旅行で反省点を挙げよと言われたら、20日の昼前から21日の夜まで相当時間を無駄にしたことは反省点です。ただまあ、19日の到着日が曇っていた可能性もある訳ですから、無駄だったわけではないと思うんです…キシナウは初日曇られたし。でも、ブログを書くために写真を眺めても、無駄の多い時間だった。
兎も角、国境を越えて再びウクライナに入国、コロミヤという都市を目指します。夜行バスは大変な目に遭いました。
まず国境のトイレがヤバい。で、トイレはまあ海外だしヤバくても仕方ないんですが、それよりバスがルートを外れて運転する。本来はコロミヤは市内のバスターミナルに停車するはずなんですが、運転手が国道を外れるのが面倒なんでしょうね。深夜3時に国道で降ろされて、白タクでバスターミナルに輸送。
そもそも早着してるのでバスターミナルにタクシー止まってないから駅まで歩き。深夜のウクライナの田舎町をキャリーバッグ引っ張って歩き。
仕方がないから駅まで3キロくらい歩いて、Вокзалの文字が見えて安堵しました。もう東欧の夜行バスは使いたくありません。時刻表通りに、決められたルートを走行する鉄道こそが最高です。
次回、ヤシニャで大勝利。
[…] 前回の旅行記⑦を更新したのは2020年10月と長期間更新が滞っていましたが、記事で紹介したように、モルドバのバルティから乗車した夜行バスは定刻より大幅に早着した結果、深夜3時にコロミヤのバスターミナル(Автостанція Коломия、駅から約3km)に放り出されました。 […]
[…] 年ごろまではブッコムに掲載していたらしい宿が、2022年に結構消えています。ドロキアでブッコム予約したという過去のブログがありますが、現在見られないです。ドロキアの場合は、 […]