2023年 キルギス季節臨の旅①

中央アジアのキルギスの国鉄が運転する列車は数少なく、国際列車を含めてもその運転本数と運転区間は限られたものです。ところが夏の時期だけは、首都のビシュケクから避暑地/観光地としても知名度のあるイシク・クル湖のほとりバルイクチを結ぶ臨時列車がデイリーで運転されます。

ロシアやウクライナへの渡航が困難となった現在、TE10が客車列車を牽引する姿を確実に拝むには最適な被写体であると思い、2023年のお盆休み(23年8月11日~8月19日)を利用して、臨時列車の撮影へ向かいました。TE10の客車列車を撮影できたかは…あとで分かります。

台風接近

日本からキルギス・ビシュケクへの直行便は就航していません。そこで往復とも韓国を経由することになります。仁川からアルマトイへ、アルマトイで1泊して翌日にバスでビシュケクへ行く計画です。お馴染みのPeach MM809便で一度韓国に入出国する必要がありますが、この時間の到着であれば乗り換え時間の不安も無く、時間を無駄にしない良いプランだと思いました。

8月11日 Narita 2:10 – Incheon 04:40 Peach MM809
8月11日 Incheon 11:25 – Almaty 15:15 Air Astana KC910

ところが…接近していた令和5年台風第7号の影響でソウル行きの飛行機が欠航。もしアルマトイ行きの飛行機が午後のフライトであれば他の午前中の韓国行きのフライトを取ればよかったのですが、午前発のアルマトイ行きに間に合うよう韓国に渡航できるフライトが無く、他の手段を考える必要に迫られ…

そこで有休を1日延長し、旅に出発

8月10日

これから中央アジアのキルギスへ行くというのに、なぜか東南アジアのベトナム行きの飛行機に搭乗。

機内はシートピッチが驚くほど広く快適でした。機内食については、これはもうベトナムという感じが伝わってきて素晴らしいです。

Vasco ATR 72-500 HVN1858

ベトナムはビザ免除されていて、次のフライトまで5時間ほどあったので出国しようか悩みましたが、外は蒸し暑くて汗かくよなあと思いターミナルに引きこもり。

ターミナルで過ごしているうちに次のフライトの時間になり、魅惑の国インドへ!(インド国鉄を撮影できそうで多少の期待があるものの、インド渡航自体はさっぱり楽しみではなかった様子を読み取ってください。ハイコンテクスト)

ニューデリー インディラ・ガンディー国際空港到着。ニューデリーではアライバルビザが取れます。ベトナム航空のインド行きのチケットを取った後にインドはビザ免除されていないと知って冷や汗が止まりませんでした。

WEB検索したらヒットすると思いますが、入国審査場の奥の辺りにアライバルビザの窓口があります。ビザ代支払いを担当してる銀行の係員らしき若い女性の方がいて、支払いを済ませた後に入国審査官を呼びに行ってくれました。航空券決済を弾くことで有名な三井住友カードは使えました。(見ず知らずの若者の楽天カードが決済できず、代わりに決済ました。彼は無事にインド滞在を生き延びただろうか…)

インドのUberはクレジットカード使えないので、現金必要です。ATMを3台くらい回ってようやく現金入手しました。到着ロビーと建物の外の送迎レーンはそこまでカオスではなく、まだ平静を保てます。フーッフーッ。しかし、Uber乗り場(ターミナルの向かいにある駐車場のGround Level)最悪です。

排ガス 排ガス 排ガス クラクション クラクション クラクション クラクション 汗 汗 汗 排ガス クラクション 捕まらないUber 捕まらないUber 見当たらないタクシー 見当たらないタクシー クラクション クラクション。最悪。初見でも乗り場だけは分かるように巨大な看板が出ているのだけは救いです。環境を改善してくれ!

ようやくUberに乗って目に入るのは、そこら辺で燃える電柱。インド、Not Good。Ashok Leylandの違法改造トラックはYouTubeで見る分には面白い。実物は恐怖。

ところでブッキングドットコムを見ると分かりますが、ニューデリー空港近辺のホテルは、空港から離れた道路沿い・謎の裏路地にあるのに位置情報を偽って空港近くのエアロシティー地区にあるように登録されています。詐欺です。Google Mapは騙せないのか、恐らく正しい位置にプロットされています。

変なところに泊まりたくなかったので散々調べて、Airport Hotel Tashreeを選びました。決め手は、ストリートビューから入口が見えたこと。現金のみ お湯出ない エアコンOK 特に騒音も無し ぼちぼちです。

8月11日

28.469634345307526, 76.99252220331519 踏切

部屋に窓が無いので外の様子が分からなかったのですが、目が覚めて廊下に出ると晴れていたので国鉄の撮影へ出発。

インドと言えば特徴的なダブルスタック貨物を撮影したいと思い、ニューデリー南西部のレワリまで行く列車のチケットを手配していたのですが、様々理由によりレワリに行くのは取りやめ、ニューデリー近辺のグルガーオンで撮影することにしました。駅間としてはBasai Dhankot-Gurgaonになります。

少なくともこのエリアの架線はダブルスタック貨物用に高い位置に張られていますが、南西部のレワリ以北で分岐してデリーを迂回する貨物専用線が完成したため、現在はダブルスタック貨物はこの区間では見られません。

詳しくは、電車とバスの写真館 @𝖾𝗅𝖾𝗄𝗂𝖻𝗎𝗌𝗎𝗍𝖾𝗋 さんの「インド鉄道 ダブルスタック専用線 撮影(2023年12月)」などを参考にしてください。

結局乗っていませんが、インド国鉄のチケットは購入もRefundもすべてインド国鉄の公式サイトIRCTCで済ませました。国外からアクセスできてVISAで決済可能でかなり優秀。

WDG-4D 70582 and Bi-level Auto Car Wagon

大陸の長編成 Block Trainはまさに自分が好物としているもので、かなり良いです。

ネットニュースなどの写真を見ると、この写真のような赤と青い帯の入った2層式の自動車運搬車でマルチスズキの自動車を運搬している様子。

WAP-5 35013 and LHB coaches

Wikipediaによると、 #35013と #35012はプッシュプル運転用に反対側が流線形になっているようです。確かに “く”の字になっているように見えますが、後追いで撮っていないのが勿体ない。大阪のおばちゃんみたいな塗装は微妙ですが、Tejas Express(種別)の標準塗装のようです。

Ajmer–Chandigarh Vande Bharat Express

ヴァンデ・バーラト急行用電車ですが、パンタグラフがダブルスタック貨物用の高さにアレンジされた仕様です。この手の急行は運転本数が多いのかと思いきや、少なくともこの区間については1日1往復 しかも週6本(水曜運休)なので、こう狙って撮るものでもないですから、撮れてよかったというべき被写体でしょう。

24m級16両編成の動力分散電車だし、白いし、青帯なので東海道新幹線にも使えると思います。

ここでの撮影は光線が悪くなってきたのでこれにて切り上げました。踏切から15分ほど歩いた場所にドミノピザがあったので、そこで昼食にしました。日本のマイドミノの四つ切りサイズのピザとペプシ1リッターで321 INR。


28.518652810450476, 77.03607808085003 踏切

ドミノピザからUberに乗って午前より北部にある光線がマシな区間の踏切へ移動しました。かなり人通りの多い場所でしたが、病院や学校が集まっているような場所で、通行人の治安の低さを感じることはありませんでした。踏切は列車が通過する10分以上前(体感)から閉まっていて大渋滞を引き起こして迷惑施設といった感じです。

WDP-4B 40070 “Rani Chennamma” and ICF Coaches

午前中のWAP-5客レとは異なり、在来型の客車を使用した列車です。アメロコ重連の客レは迫力がありますが、窓やドアから手足が出ていて、編成美を損ねています。

ここは午前中の撮影ポイントと同じ路線なのですが、架線が普通の高さに張られています。途中でヤードや分岐は無いので、途中で架線の高さが変わっているのでしょうが、貨物線を完成させた後に架線柱ごと取り換えたのだとしたら手の込んだことをしています。

WDP-4D 40420 and ICF Coaches

15分後に続けて通過した列車です。踏切の守衛室の脇で撮っていましたが追い出されたので、少し移動しました。アイレベルを下げて撮ることに普段気が回らないのですが、最後にそうしたようです。午前中からこのような構図で撮っていれば他の写真もより格好良かったなと反省しかないです。

構図ヨシ、背景もヨシ、インド国旗とインドっぽい塗装、客車から突き出ている手足も先ほどよりマシだと満足したので、これにて撮影から撤収しました。


New Delhi 18:35 – Sarjha 20:30 Air Arabia G9 466

ホテルに預けていた荷物を回収して、空港へ。ところで、撮影地からホテル、ホテルから空港ともにUberの運転手は釣銭用意していませんでした。ホテルから空港なんか最悪で、144 INRなのに500 INR札を渡すしかなかったです。思い出しただけで腹立ってきましたが、この空港行きの運転手は申し訳なさそうな顔してたのでまあ良いです。撮影地からホテルの運転手は釣銭持ってるわけないという態度で最悪でした。

Air Arabiaでアラブ首長国連邦のシャルジャまで移動します。

機内も普通に綺麗で、軽食も美味しかったです。ただ、購入以外のWEBサイトの操作が海外からアクセス禁止されていたのが意味不明でした。アプリだと見れるページと見れないページが混在していたような気がしますが、を使う場合はアプリをインストールしましょう。あと、日本人の客室乗務員がいました。

オレは日本人の客が来たら必ず一番いい席にしてやるんだ、非常席窓側でどうだ という地上係員の厚意で良い席でした。いろいろ思うところがありますが、旅の途中はこういうことがあると嬉しくなりますね。

定刻でアラブ首長国連邦のシャルジャに到着しまして、タクシーで市内へ。アラブ首長国連邦の7の首長国のうち3に訪問できました。

ビシュケクに行くはずが、なぜインド国鉄を撮影して中東で夜を迎えたんだ…という感じですが。安宿に投宿して8月11日終了。


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