夏の中国旅行[その6]

ブログの更新は相変わらずのスローペースで、中国旅行の話も年内に完結出来たら良いなと思っている次第です。とはいえ、このペースで中国旅行エントリー6回目、北京最終日と相成りました。この日は、唯一残っている北京-上海の寝台列車T109次に乗車予定です。

前日夜から翌日の乗車までにどこか行きたい場所があるかと話していたものの、特に向かいたい場所は思い浮かばず、折角なので少しでも撮り鉄しておきたかったので北京南駅近辺の撮影地へ向かうことにしました。

 

場所は北京南駅の南側にある跨線橋から北京南駅に跨線橋には金網が張られていますが、私の70-200mm F2.8Lでも問題なく撮れたようです。

帰国後に知ったことですが、中国鉄路の時刻表はChina Railway Mapというサイトから参照できます。駅名を検索すると出発、到着列車が参照できる便利なサイトだと思います。最も、今回は列車番号に自信が持てないため掲載しませんが…

CRH380BL。そこまで中国鉄路に詳しくないですから例外はあるかもしれませんが、CRH3C(天津から北京まで乗車したもの)と380B/BLの外観上の違いはライト横のスリットでしょうか。

8連のものがB型、16連のものがBL型と称されるそうです。ところで、この編成は8両以上ありますが、16両には見えないのですが…はて。

韶山9G型

CRH380ALです。CRH380というのはシリーズ名で、CHR3Cの派生形につけられた形式ではありません(しばらく前まで勘違いしていました)。このCRH380ALはE2系ベースのCRH2Cがベースになっています。

CRH380ALも日本の新幹線の面影を感じますが、先頭車の形状というより低重心で幅広の車体にその面影を感じるように思います。

こちらはCRH380Bによる、8+8の16連。

HXD3C型

CRH380C(L)型は北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道向けの車両です。デザイナーは日本の500系新幹線やドイツICE3をデザインしたドイツ人の方だそうですが、かなり独自色の出ているフェイスだなあと思います。CRH380CやBの持つ車高の高い(高速向けでない)雰囲気を不思議と感じません。

続けて韶山9G型をお目にかかれるとは思っていませんでした。根拠もなく(苦笑)、このシリーズは南方が生存圏だと思っていました。もっとも、この赤い塗装が南方に似合いそうな雰囲気だからかもしれませんが…

韶山8型が二階建てのS25系客車を引っ張って現れた時は驚きました。そして、ここでようやく「顔」に架線が被らない位置を見つける(遅い)。

広州に住んでいた時は広九鉄路で何度かお世話になりました。当時の学校の友人はかなりの割合でKttが良いと言っていましたが、管理人も私の両親も韶山8型の牽引する25系客車の方が好みだったのを思い出しました。良く見るとライトケースが左右で異なっています。

CRH5

イタリアのETR-600系がベースになった車両です。運用範囲的に以前広州に住んでいた際は見たことがありませんでしたから、初めてお目にかかりました。

パンタグラフの防音カバーの高さまで屋根でカバーするデザインは日本では見かけません。ベース車両の設計最高速度からしても、カバーの形状は空力的な問題ではなさそうですが、東海道新幹線の悪い線形故に屋根上に空調機器を設置して重心が上がるのを嫌っているのかもしれなと思いました。(勝手な推測でスミマセン…)

HXD3Dの回送でしょうか。

こちらも、HXD3D型。跨線橋からは一応振り返っても撮影できますが、編成後部は見切れます。

HXD3C型+非空調客車

関係者の移動用といった雰囲気が漂ってきます。最近の中国国鉄は近郊列車でもこんな編成にはならない気がしますね。

と言ったところで、小腹も空いたし雨に降られてなんだか疲れたし非鉄の友人も待ちぼうけだし、撮影は切り上げまして…(苦笑)

撮影中雨が降ってきて冷えた体を温めにコーヒーショップへ。特に限界旅行のつもりもないので食費は高くつきます。ついでに本場中国で小米科技のショップを覗きに行きます。

日本では華為の知名度が高いですが、やっぱり値段もデザインもXiaomiが好きだなあ…

地下鉄駅に戻り始めた時点で14時過ぎで、ここからホテルに戻って更に北京駅に向かうとなると、かなりいい時間と言ったところだったと思います。

もっとも、ホテルから駅に向かう際に同行の友人はお土産を見たいと言っていたのですが、駅がどれくらい混んでるか分からないしと難色を示して駅に直接向かうことにしたのは申し訳なかったというか、軽い反省点。

16時過ぎ。駅前に到着夕方、天気は好転してきましたがこれから北京駅に入るところ。

駅前広場と入場口は混んでいたのでかなり早く行きましたが、手荷物検査も含め、案外スムーズに入場できてしまいました。

中央の電光掲示板に待合室の場所が表示されます。早く着きすぎなので表示されていませんが。

取り敢えず座りたいので2階の奥の方でしばし待ちます。

ところで乗車する列車の切符です。上海行のT109次と北京行きのT110次がこの区間に唯一残る特快列車です(普快列車も1往復残っています)。

このT109次はおよそ15時間10分かけて北京~上海の1463キロを走りぬきます。もともとは、T103/104次と6分差で運転されていた列車だったそうですが、京滬高速鉄道の開通に伴って2011年7月にT103/104次は廃止、T109/110次の停車駅が今のダイヤになったそうです。もっとも、廃止されたのは6対の列車ということで、恐らくT103/104含めた3往復の削減でしょうか。

中国語版Wikipediaを参照すると、T103/104次が廃止されたことにで(もともと夜発朝着の便利なダイヤでかつ安価な)T109/110次の切符の入手が困難となり発売制限までかけられた為、T103/104次廃止およそ2ヵ月後には同じ夜発朝着ダイヤで寝台型の新幹線車両を用いたD313/314列車が設定されたそうです。国鉄のスピーディーな対応、凄いなあと感心する次第。

暫くして確認に行くと電光掲示板に乗車する列車番号が表示されていたので移動します。

同じく2階の別の個所にある待合室ですが、先ほどと打って変わって天井は高く、シャンデリアまで付いています。

ほぼ全席指定の列車ですが、皆早くから列を形成し始めます。これは、荷物置き場を確保したいから。

最近整備されたものでしょうか、プラットフォームまでの通路もとても綺麗なものでした。

列車に入り、寝台を探します。私は下段の左側、友人は右側の最上部です。

暫くすると車掌が切符と換票証を交換しに来ます。これにより、(特に深夜停車駅)での降り忘れなどの把握が可能です。今回はしませんでしたが、途中下車の際は提示すれば良いみたいです。

中国の寝台列車に乗ったからには食堂車を使ってみたいと思っていましたが、面倒だったのもあったし、語彙力足らないよなあと思ったので夕食は車内販売の弁当、25元。

なんというか、これは、長年憧れた「中国の味」でした。

管理人が広州に住んでいた頃、学校の旅行(修学旅行ではなく、毎年旅行があったのです)で2回ほど、国内旅行に行きました(一度は桂林でした。もう一回は…)が、そこで食べた食事は西洋人の口に合うようにかなり妙な味になっていまして、少数派管理人含めたアジア人は閉口した記憶が強く残っていますが、この弁当は普通に食える。中国は安いメシでもちゃんと食べれるものが出てくるなんて聞きますが、これは普通に美味かった。と言う訳ではやり食事の記憶は残るようで…

兎も角、腹も満たされて同行の友人と話しているうちに消灯時間。10時消灯で大変健康的(苦笑)。

と言ったところで、今回はT109次乗車までです。

管理人は、自分で書くのも難ですが、稀に?インターネットで言われるところの、幼いころ親に「ブルートレイン乗りたい!」と言ったら「大人になってから自分のお金で乗ってね」と言われたうちに肝心のブルートレインが引退してしまった世代(苦笑)です。

寝台列車に乗りたいなら中国の寝台列車が手ごろだとインターネットの記述を目にすることがありますが、中国の寝台列車は青蔵鉄道やシベリア鉄道を一部の例外として基本的に「夜間に移動して別の都市に行ける交通手段」だと思います。日本でいうとムーンライトやサンライズ、はたまた夜行バス辺りでしょうか。中国の寝台列車は日本海や北斗星、トワイライトエクスプレスの持っていた「特別さ」、ある種の「ハレの場感」が無いなと思います。

最も、サンライズエクスプレスも寿命で、日本で誰でも乗れる寝台列車が消えるのも時間の問題でしょうし、中国も今後寝台列車は減少してゆくでしょう。北京~上海の二つの大都市を結ぶ鉄道でも1往復なのですから。そういう意味では、乗る価値はあります。でもあの日夢見たブルートレインではない、と思います。(まあ、それでも中国の寝台列車に憧れるし乗りたかったから乗りに来たのですけど)

といったところで、ではでは。

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