長い春休みに入った管理人です。昨年夏の欧州遠征の記事もまだ完結にはほど遠いところですが、休みに入って早々に韓国に言ってきたのでそのお話になります。今回は手短に前後編の2本完結です。
昨年の春頃にツイッターのフォロワー様が韓国の高速列車、KTXの素晴らしい写真を撮影されていたのを目にして以降、自分も撮ってみたいと思っていたので今回の韓国行きを決めました。というか、夏の遠征から既に半年が経過していて、海外行きたい欲が高まっていました。
フェリー きたきゅうしゅうII
旅は大阪南港に始まります。
大阪から韓国というと、大阪国際フェリーターミナルから釜山行きのフェリーが運航されています。大阪-釜山のフェリーに乗ると釜山に午前10時に到着しますが、今回の旅程だと10時着は少しばかり遅いので、時間早く釜山に到着する下関と釜山を結ぶフェリーに乗る為に、一旦、新門司港を目指します。
余談ですが大阪-釜山を結ぶパンスタークルーズフェリーは片道でもそれなりに安いですが、各種割引の実施が多く、往復だとかなりお得な移動手段です。機会があれば乗ってみたいなあと思います。
新門司まではシティライン 名門大洋フェリーを使います。
翌日は下関を夜に出発する関釜フェリーに乗るので、新門司の到着時間は遅くても構わなかったのですが今回は値段の都合もあって大阪を17時に出航し、新門司に翌朝5時半に到着する「1便」にします。船は「フェリー きたきゅうしゅうII」。
出航の1時間前には乗船できるのでカメラを持ってウロウロしていました。
一昨年に上海フェリーに乗った時にも思いましたが、船のファンネルは撮っていて楽しいです。何でもかんでも合理化、合理化という時代にあっても変わらず煙突にファンネルマークを入れるのは素敵です。
出航が17時、日没が17時半くらいだったので日没前から日没後にかけて綺麗な写真が楽しめるのではないかと期待していまして、思惑通りの楽しい時間を過ごせました。
大阪港西端の長い防波堤の辺りで厚い雲の中に日没。
陸上だと太陽が沈んでいく様子は建物に視界が遮られてなかなか見れないですよね。
夕方から夜の境目の時間は空のグラデーションが本当に綺麗で、写真を撮るのも楽しい。
進行方向右手は西宮や神戸の街並みが広がっていると思いますが、太陽が没した側の左手は視界が開けていて、一昨年乗った蘇州号のように大海原に出ている感じで素晴らしい。
写真を撮るのも楽しいですが、時速40キロ近くで航行する船のデッキに日没後に留まっているのもとても寒いので早々に船内に撤収。
船内のレストランは高いので、乗船前にコンビニで適当に買っておいた夕食を食べて、21時半には消灯。相部屋なので同室の客のイビキが大音量は仕方ないですが、非常口の誘導灯がめちゃくちゃ明るい。消灯後なのにスマホのカメラで客室内の写真を撮れるくらいには明るい(笑)やりすぎ。
関門
翌朝4時に起床し、朝食。暫くしてフェリーは定刻通り翌朝5時半に新門司港に到着しました。新門司港からは名門大洋フェリーのシャトルバスで門司駅へ。
門司駅から大牟田行きの快速列車に乗って鹿児島本線の海老津駅まで。海老津駅は大昔に、撮り鉄を始めたばかりで構図も何も知らなかった頃に来たことがありますが…
ともあれ、朝の時間帯の鹿児島本線というと415系4連×3本による南福岡行きの快速 3323Mが有名で、その撮影です。3323Mの撮影地としては吉塚駅が有名で、晴れればそちらに行こうかと思いましたが今回は曇り~雨の予報が出ていたので、インターネットではあまり作例を見ないものの撮れるんじゃないかと思われる場所へ来たわけです。
撮影ポイントは海老津駅から遠賀川駅方面に歩いて一つ目の踏切です。海老津~遠賀川には2か3の撮影地が知られていますが、ここはあまり目立たない感じですね。
踏切に到着したのはまだ日の出前。813系3本の最大9連がやってきました。こんな時間に写真を撮ろうと思ったことがなかったですが、意外と撮れるモンです。
以前、身延線の特急「ふじかわ」に乗った後に373系の鉄道模型を衝動買いしてしまったのですが、813系はもともと好きな車両だし、危ないです(T_T)/~~~
暫くして7時40分頃にお目当ての3323M。撮り鉄仲間の友人には銀先頭だったりしてと不穏なフラグを立てられましたが、カーブの先から出てきたのは白先頭。
その撮り鉄仲間に聞いても、このストレートで3323Mの写真見かけたこと無いよね、という感じですが、曇り限定なら全然アリだなあと思いました。
有名な12連列車ではありますが、特に思い入れがないのでこういう機会でもないと撮らないです。バリ晴れではないですが、撮れてよかったです。
更に一時間程粘って、EF81牽引の貨物まで待機。EF81牽引のカシオペアを一度だけ撮ったことがありますが、かなり残念な写真になっていたので、マトモに撮れたのはこれが初。
関東の直流区間を走るEF81と違って、交流区間で前パンを下げていてなかなかカッコイイものです。欲を言うと銀罐とか腰に白い帯が入ったやつ撮りたかったですけどね(´ー`)
この日は一応、昼前から晴れ予報が出ていて、本当に晴れるなら海老津~遠賀川の別の撮影地に行こうかなとも思っていましたが、どう見たって晴れそうにはなかったので小倉へ帰還。
小倉駅前の喫茶店で一休みしてから門司港駅へ。門司港駅に関しては、完成当時の見た目に復元するという考えがどうにも好きにならないのです。駅舎の外見だけ綺麗にしてもホームの屋根とか中途半端に復元前のまま放置されてるじゃないですか。
写真の関門橋は一昨年の夏に完全に船酔いしながら夜景を眺めたのを懐かしく思います。一昨年の夏に中国に行って、昨年の春も中国に行って、昨年夏はヨーロッパに1か月、今回は短いですが韓国に行って、夏は東ヨーロッパに1か月です。一昨年の夏から始まったんだなあって感じです。
どうでもいいですけど蘇州号のファンネルは異様にデカいですね。
門司港で見たかったものが大連航路上屋です。戦前に日本と中国の大連を結んだ航路のフェリーターミナルです。
昨年春に中国東北部遠征に行きましたが、最後に訪問した大連で、ここと対になる大連埠頭の旅客ターミナルを見に行きました。入口こそ改修されているものの、中は当時の面影と留めているというものでしたが、下調べ不足で実は2013年にか原型を留めない再開発が行われていて残念な思いをしたものです。
この時代の立派な建物らしくアールデコ調の建築物ですが、控え目な装飾が特徴的な建物と紹介されています。
館内はちょっとした博物館になっていますが、2階の階段部分はかなりいい雰囲気残してるなあと思いました。10-20mmで撮っていますが、コンクリートの直線的な組み合わせが面白いので8mmや魚眼レンズ系があっても楽しそう。
2階部分から乗船できる構造ではあるものの、80年代以降の埋め立てで海岸線が遠ざかっているのですが、ここなら海が見えるし当時の面影があるかなあと。
一時期は廃墟に近かったもの修復しているのでコンクリート装飾はかなり作り直されている感じで、どこまでが当時物かなって感じですが、2階に上がる階段の大理石?の装飾は角が取れていて当時物かなと思いました。大連でもこういうのが見たかったです。
1階部分の博物館はわずかで、奥の方がイベントスペースになっています。
学校は理系では無いですが、地震とか災害とかそういう話題の多い学部で、耐震補強の金具が気になりました。このアーチ状の金具は”プレーシング”と呼ばれるそうですがコンクリートの直線的な建物にあって雰囲気を壊さず素晴らしい。 室内の2階へ上がる階段にこの金具を含めて修繕に当たってのエピソードが書かれているので是非。
奥に(小倉方面に)進むと西海岸2号上屋、3号上屋、4号上屋と並んでいます。これは2号上屋で廃墟みたいな感じですが、一応倉庫としては現役みたいです。
自分が説明を見落としていただけかもしれませんが、1号上屋だけが待合室だったような雰囲気がありましたが、この2号上屋も2階部分から乗船できる、1号上屋と同様の構造です。
1号上屋のように復元するのも良いけど、ボロい面影を留めているのも一部にはウケそうです。今年の夏に行く予定ですが、チェルノブイリの街なんかが廃墟のまま観光地化していますよね。ああいうのは方向性としては良いかなと思います(もっとも、正直に書けば、ブログ等を読むとチェルノブイリの廃墟街は観光地として「演出」がある感じがして、それはどうなのって思います。行ってみないと実際どう感じるかは未知数ですね)。
火気厳禁はそりゃそうだなって思いますが、飲むのかあ…おおらかな時代もあったんでしょうかね。浅田次郎小説あたりのイメージだと、二日酔いのまま出勤してくる港湾作業員なんかは居そうな感じもします。
更に奥に進んで3号上屋まで来ると埋め立てが途切れて、岸壁が当時の位置のまま残っています。およそ90年前のガントリークレーンのレールと係船柱が当時から変わらぬ位置で残っているのは素晴らしい。石畳も当時のものなんじゃないかなあと思います。
門司港で見たいものが見れて満足したので再び小倉方面に戻ります。既に3時頃だったので喫茶店で2時間くらい潰せば良いかなあとも思いましたが、太陽が顔を見せていたので、この時間に順光になる枝光駅へ。
言うまでもなく九州の撮影地には馴染みがないので適当に光線が良さそうだと選んだだけです。鹿児島本線だし貨物も多いだろうと楽しみにしてきたのですが、貨物線は次のスペースワールドまで別の線路でした…
一時間に一本、折尾行きの各駅停車で415系も来ます。ここは長編成向けの撮影地なので最低でも8両は欲しいです。ソニックの6両も少し構図が微妙でした。
先も書きましたが、特に思い入れのない415系なので仮に引退すると言ってもわざわざ撮りに行くことはないでしょうから、この機会に晴れカットを抑えられて満足です。
枝光駅の構図はやはり長編成が似合います。先にも書きましたが、模型を手に入れたくなる危ない列車です(苦笑)。
貨物はこの区間を通らないことに加えて日中ですから本数は少なめでしょうか。青いソニックやみどり編成を撮りたかったなあとは思いましたが、これにて撤収。小倉駅に戻ります。
小倉駅から17時1分発の下関行きの列車に乗り、再び本州へ。
下関駅から下関港国際ターミナルは連絡通路で結ばれています。かなり寂れた感じの駅前です。巨大なパチンコ屋はあるんですけどね…
関釜フェリーは18時半までに乗船手続き(=乗船券の発券)を済ませればよいのでだいぶ早くに着いてしまいましたが、コンビニで夜食になりそうなものを買って、列に並んでちょうどいい時刻かなあといったところ。
事前に調べたところでは韓国人のツアー客が大半ということで、日本人は少ないだろうなあとは思っていましたが、ロビーで待っていると全く日本語が聞こえて来ません。旧正月の時期ですから、中国人は世界中に旅行に出ている筈なのにここでも1, 2組を見かけた程度。これにはなかなか驚きました。
出国手続きを済ませていざ乗船。パスポートの出国印は「関門(KANMON)」。小倉港から出国する場合があるならば、それも「関門」になるらしい。
関釜フェリーは韓国船籍の「星希」と日本船籍の 「はまゆう」 が交互に運航されていて、今回は 「星希」が下関発で、これに乗ります。まあ、細かいことを言うと「星希」は釜関フェリーがその運航会社で、共同運航という訳です。
19時40分から夕食。選んだのは「韓国味噌チゲ定食」、900円。副菜も付いて900円は普通にお得感ありますね。しかも、チゲに蟹が入っていて驚きました。味の方は大変美味。チゲはスープを飲むと喉が焼ける感じの辛さ、なかなかです。キムチチゲは別にメニューに乗ってましたが、それはどうなってたんでしょう。
食事の後で大浴場に入りました。一昨年の上海フェリーの大浴場は一応1等船室の客専用(ただし使おうと思えば誰でも使える、らしい)で自分は面倒なのでシャワーで済ませてしまいましたから、船の大浴場は今回が初めてです。銭湯とか行かないですし、自宅の風呂は極小なので最後に足を伸ばして湯につかったのはいつかなって感じでした。
出航は19時45分ですが、結局、出航したのは21時20分頃。ツイッターのフォロワー様情報だとそんなものらしいです。もっとも、下関-釜山は200km弱しか離れていないので航海速力18ノットのフェリーなら6時間半程度あれば十分な訳ですね。釜山でも停泊して8時の下船時間まで待つことになっています。
という訳で、プチ韓国遠征全編はこんな感じです。後編は写真の準備はしてあるので早めに書く予定です。
余談というか、ブログの話ですが、近いうちにカテゴリを整理したいなと思っています。ブログ収益化したいですが、どうせサーバー代すら回収できないでしょうから、だったら広告も無い方が綺麗だよなあとか思いますが、これもこの休み中に更に検討事項です。最近のSSL化ですが、独自ドメインではないので当面は無理そうです。ドメイン自体はそう高いものでもないですが、このsakura ne jpのドメインは気に入っていますし、独自ドメインにするほどでもないかなあ…
といったところです。
[…] 門司の大連航路上屋や大連の発着場…は近寄れてないですが、この時代の鉄道連絡船の遺構を見ることができるのは本当に幸いなことだと思います。 […]