2022年10月末からのラトビア旅行に先駆けて、Sigma fpを購入した。
しばらく前にSigma 120-300mm f2.8を導入した際は結局、書くことがなくてエントリーを投稿しなかったが、今回は書きたいことがあるのでブログを書こうと思う。
ある機材を買ったという個人ブログは検索すれば幾らでもヒットする。そうはいっても、自分自身が新しい機材を手にした当初に何を考えていたかは後ほど振り返ると面白いので、この非常にありきたりな投稿をご容赦いただきたい。
経緯
fpは2019年の初夏に発表された時から気になっていたカメラで、大阪梅田で開催された発売前の体験会にも参加した。
私は現在、フルサイズDSLRの5D IVとAPSCミラーレスのEOS M3を使っている。
M3の良いところはファインダー(の軍艦部)が無いのでコンパクトなこと。それから、EF-M/EFマウントアダプターを使うとEFレンズが使えることである。万一、5D IVが故障した際にバックアップとして最低限活用できるのは良いと思っていた(実際に鉄道写真の撮影に使えるかは別)また、最近では動画撮影用にも使う機会が増えていた。
M3は流石に古いので買い替えは常々考えていたが、致命的に使い勝手が悪いと感じたことも無く先延ばしになっていた。ところが、先日の北陸鉄道の撮影時に気まぐれで5D IVで動画を撮影した際に、その質感に感激して、フルサイズで動画を撮りたいと思った。
フルサイズ、軍艦部がなくコンパクト、マウントアダプターを使えばEFマウントのレンズを使うことができる、fpはまさに最良の選択肢だと思ったので、ついに購入を決めた。
感想
衝動的に買ったわけではないので、ほぼ想定通りで非常に満足している。
買ってから気付いたが、fpは背面液晶が固定式である。M3の液晶はチルト式だったので、やや不便だなとは感じた。あまり目立ちたくない場面では、カメラを腹の高さくらいのやや低い位置に構えて液晶を上にチルトさせて使うシーンもあったからだ。ただ、チルト機構が壊れそうで心配だとは思っていた時期もあったし(結局、壊れることは無かったので、途中から心配することはなくなったが)固定式のほうが強健で良いと思う。
当初は、M3で使っていたM42マウントのPENTAXオールドレンズを使う予定でいたが、マウントアダプターの見栄えが悪いと感じたので、よりバックフランジの短いマウントのレンズを手に入れることにした。
「よりバックフランジの短いマウント」というのは要するにミラーレス用のレンズ(つまりライカ用のレンズ)を選ぶ必要がある。M3でオールドレンズ遊びを始めたころから気になっていたソ連製のレンズJupiter -8 50mm f2はライカマウントなので、オークションにちょうど出品されていたものを入手した。
Amazonで「K&F Concept マウントアダプター KF-39L(ライカL39マウントレンズ → Lマウント変換)」を買って試写した。Amazon以外のウェブサイト等にもL39用と記載があるが、マウントアダプターにはM39と刻印されている。また、レンズの距離指標が合っていない気がする(遠くの被写体に明らかに無限遠より手前でピントが合う)ので、本当は商品説明が間違っているのかもしれないが、あまり詳しくないので、良く分からない。
ラトビア旅行を翌週に控えた10月22日に、旧友に会いに京都へ足を運んだ。
Jupiter-8は間に合わなかったので、M42マウントのAuto-Takumar 55mm F2で不格好な外観ではあったが、街歩きしつつ、写真を撮ることができた。
バッテリーの持ちがあまり良くないとのレビューで心配していたが、私の使い方では撮影時以外は電源OFFなので、特に問題には感じなかった。自宅で設定変更などをしているほうが余程、バッテリーがグイグイ減るように感じたが、この辺りは使い方次第だろう。常時画面ONだと長持ちしないと思う。
機能面としては、個人的にはDC クロップ機能が非常に便利だった。DC クロップをQS メニューの左上に登録すると、最短で2操作(QSボタン押下・ダイヤル回転)で1.5倍ズームが得られる。
写真的には、ダイナミックレンジが広く、明暗差のあるシーンでも使いやすかった。
もっとも、5D mark IVは2016年、M3は2015年、fpのセンサーはおそらく2018年のものだから、性能が向上しているのは当然のことかもしれない。
MC-21マウントアダプターについて
基本的にはオールドレンズを装着して使うことを考えているが、先に述べたようにEFマウントレンズを使えることは重要な要素だと考えているので、MC-21マウントアダプターも購入した。
あまり参考になるような情報ではないが手持ちレンズの対応は下記の通りである。
OK SIGMA 120-300mm F2.8 DG OS HSM | Sports
OK TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2
NG CANON EF70-200mm F2.8L USM ※接点エラー頻発
NG CANON EF100mm F2.8 マクロ USM
少ないサンプルだが、Canonの非ISレンズが動かない。約20年前の非ISレンズは古すぎて動かないのかもしれないし、対応表に載っていないレンズまで動かしてくれとは言わないが、正直、動いてくれても良いだろう…とは思う。
どこか別の検索上位のブログにも書いてあったことだが、AF自体は動く。動くのだが、ある範囲を逸脱すると動かなかくなる。ピントリングで合焦位置近くまで戻してやっても、ピントを合わそうと前後に大幅に動いて、結局、動かなくなる。
純正で対応する120-300mm F2.8やTamron 24-70mm G2のAFが駆動する際も、やはり前後に多少動いてから合焦するので、マウントアダプターというよりはfp側の性質という可能性もあるだろう。いずれにしても、基本的にはSigma純正レンズ用のマウントアダプターだという事だ。
あと、実売価格が約2.8万円、中古品も2万円は確実に越えるので結構手痛い。
このエントリーを投稿する2022年10月28日の夜から欧州へ出発する。
これまでの旅行では、滞在中に鉄道ばかり撮って、あとで振り返ると街の写真がない事を残念に思う、ということを繰り返している。
今度こそ、後で良い思い出を振り返ることができるように、できるだけ後悔の無いように写真を撮りたいと思う。