夏の中国旅行[その3]、今回は人民大会堂見学と中国人民革命軍事博物館訪問の記事になります。
前回のエントリーで書いた通り、北京滞在2日目(9月8日)はもう一か所、中国航空博物館も訪れていますが、写真が多くなりそうだったので別エントリーにします。
人民大会堂見学ということで、朝から天安門広場へ向かいます。見学受付は人民大会堂裏側とインターネットで読んでいて、裏側からアクセスできそうな位置に展示中心と百度地図に書かれていますが、アクセスの正解は天安門広場に入る手荷物検査場を通り、広場西側路と人大会堂西路の角辺りで待っていれば良いのです。
ここでも「学生,两位」と伝えて学生証見せます。一人15元です。国会議事堂見るのに15元ですよ、親切な国です。手荷物預かりは有料と読んだ気がしましたが、無料でした。財布やカメラが入っていないか確認され、引き換えにプラスチックのキーを貰います。
人民大会堂は見学者でも正面玄関から入れます。日本の国会議事堂は見学者は裏口から入ることを考えると、予約なしで当日料金さえ払えば正面玄関から入れる中国、素晴らしいですね。
手荷物検査場のある風除室(ここは撮影禁止でした)を抜けると「中央大庁」、メインロビーですね。
見学できる部屋はたまに変わるようですが、今回はロビーの次に「湖南廟」が開かれていました。
かなり足早ですが、これを見に来た、「万人大礼堂」です。テレビでも見る全国人民代表大会が開催される会場です。本当に1万人収容できるのかよと思う程こじんまりしていて、しかもステージかなり小さいのですね。
とはいえ、映像を見てもホールなんでこんな雰囲気だろうなというのは分かりますが…↓
中々後ろを見る機会は無いですからやっぱり見学来れて良かったなと思いますね。こりゃ寝てもバレなさそう
迎賓庁ということで、レセプションホールです。浦東新区を望む、近代的な絵画が飾られていました。
次は7000平方メートルあるという宴会場です。
今回は他に広東廟と四川廟も見学できました。あいにく写真を撮り損ねてしまいましたが、四川廟には工事を四川の企業が担当したというプレートがあり、ひょっとして33ある会議室はそれぞれの行政区分の企業が工事を担当したのかな、と思いました。
出るのも正面玄関からです。ところで、Wikipediaやいくつかの訪問記では靴の上からビニールカバーを付けると書かれていましたが、普通に土足でした。
帰る際は緑地を抜けて、手荷物預かり場の方に戻ります。
朝の8時から人民大会堂が開くのを待っているので、見学が終わった時点でまだ9時です。ガイドツアーではないので、1時間位で見て回れます。
次に、地下鉄天安門東駅から地下鉄軍事博物館駅に向かいます。
向かう先は駅名にもなっている、中国人民革命軍事博物館です。ここは入場料無料ですが、窓口でパスポートを見せてチケットを受け取ります。
チケットの列や手荷物検査でなんだかんだ30分程掛かり、入場できたのは10時になっていました。
今回、建軍90周年という事で特別展を開いている様です。
入ると白い毛沢東像が迎えてくれます(特に嬉しくない)。
建軍90周年…はて。抗日戦争的最後勝利…???青天白日満地紅旗と青天白日旗で[お察しください]
肝心の建軍90周年展示はぶっちゃけよく分からなかったのでガッツリ割愛。若かりし頃の毛沢東は普通にイケメンです。
今回は(恐らく)通常展示と思われる部分と一通り紹介します。展示は基本的に時系列順に並んでいます。
抗日戦争的最後勝利となれば次は朝鮮戦争です。
暫く進むと、U-2を撃墜したというパネルが興味を惹きました。U-2を保有しているのは米空軍のみと思っていましたが、台湾空軍も所有し、その部隊は黒猫部隊と呼ばれていたそうです。
帰宅後調べると、1962年から1967年にかけて4機のU-2が迎撃されたようで、つまりその展示していた訳ですか…
上のパネルは1959年に迎撃したRB-57D偵察機の破片を写したものです。管理人はこの辺りの歴史的な知識も、この時期に運用された航空機の知識ありませんから、当たり前な話ですが、どちらかでも知っていれば更に楽しめそうです。
中国初の水素爆弾の模型や原子力爆弾の模型(左隣に)も置かれていました。
この辺りに中国の航空機がチベットのポタラ宮殿上空を飛行しているような写真もパネルになっていたり、内容を理解できるかは別としても、面白いことは事実です。
核爆弾の模型の先から雰囲気が少々変わってきて、一気に近代的な展示となっていきました。
宇宙開発。2003年に打ち上げられ中国初の有人宇宙飛行に成功した神舟5号はその発射基地である酒泉衛星発射センター開設45周年記念というパネルが置かれていて、狙って打ち上げたのか丁度その年だったのか…と思いながら通り過ぎました。
香港、澳門の返却。
大地震の救助作業の風景です。
パネルの中国人民武装警察部隊は人民解放軍ではない準軍事組織ではありますが、中国の兵力の一翼を担います。
写真のはしご車のような形状の突入要の車両がヨーロッパで使われているのは知っていましたが、中国にもあるのは意外でした。とはいえ、調べると中国人民武装警察部隊の特殊警察部隊は1980年代から対テロ作戦の研究教育機関としての役割を帯びるようになったと書かれていて、装備面だけでなく人員育成の面でも先進的だなと感心しました。
中国ほどの大国となれば国際平和協力にも力を惜しみません。
そして軍民一体となった発展戦略のパネルです。この横には「向科技创新要战闘力」とスローガンの書かれたパネルがありました。
中国語は読めなくても分かりますよ、国民に自国の軍事力を、技術力をアピールしている。私は、日本も見習うべきだと思います。
自衛隊の活動がこれほど誇らしげに示されている博物館が日本にあるだろうか。これほど技術力は国力なのだと示す場所はあるだろうか。そう思いました。
パネルの意味はあまりわかりません。でも大国の強さを垣間見た気を持ちつつ、お楽しみと参りましょう。というわけで、航空機の展示へ…
国民党のU-6A、T-33A練習機やF-86F戦闘機とともに置かれていたのはP-51Dマスタングでした。この機体は中華民国空軍から接収され、人民解放軍マーキングです。
実物を見るのは当たり前ですが初めて。
ツポレフTu-2爆撃機。大好き(*´ω`)
管理人は双発戦闘機が好きなので、似たようなスタイルのTu-2のスタイルには惚れ惚れします。
ツポレフTu-16。これももっと好き(>_<)
(顔文字は当時の心境を表していまして…)白色に塗装されて赤いマーキングは痺れます。
後ろに写っているDF-2ミサイルは、ドイツのV-2ミサイルをソ連が生産したR-2ミサイルをライセンス生産したDF-1ミサイルを発展させたものです。と、経歴が面白かったので書いてみました。
他にもQ-5戦闘機や物凄く見覚えのある122.7cm高射砲など、面白い展示は多いのですが(実はカメラのバッテリーの関係で節約を迫らて)あまり写真が多くないのです。
ともかく、一通り見たとあって外に出ます。
中国人民革命軍事博物館は人民大会堂以上にスターリン様式らしい建物ですが、建物の外観をあまり撮ることなく終わってしまいました。
館内の航空機も珍しいものですが、あちらが大半が他国でも似たようなものが見れるのに対して、野外に展示されていた車両群こそ珍しいものでしょう。
中国最新の主力戦車99A式戦車です。練馬の自衛隊広報センターで似たような距離で見た10式に比べると小さく感じましたが、実際には99A式戦車が一回り大きいのです。10式の砲塔デザインの影響でしょうか。
04式歩兵戦闘車です。サイドスカートとデジタル迷彩のお陰で、やけに引き締まった見た目です。強そうな見た目は大事。
11式105mm装輪装甲突撃車。日本の16式機動戦闘車やイタリヤのチェンタウロとの違いはこの形式が水上浮航性能を持つ点でしょうか。
自走砲は管理人の好きな種別です。中国最新の05式155mm自走榴弾砲。
日本のサイトでは07式35mm自走高射機関砲(PGZ-07)と紹介されていますが、パネルには09式自行高炮と案内されています。
中国のインターネット記事ではPGZ-07自行高炮は誤った名称で、PGZ-09式自行高炮であるとされています。よくわかりません。
一応中国国産戦闘機のJ-10です。凄く、F-2戦闘機みたいだなと思ってい見ていましたが、エアインテークがそう見えるのかもしれません。
開発時期や競合相手も西側ではF-15と、F-2と似たような状況でしょうか。よくある、設計思想が同じだから似たような形になったという(苦笑)。
WZ-10という、こちらも国産のヘリコプターです。コクピットの周りのデザインから、コクピット上部とローターが近いからか、自衛隊も使っているAH-1より背が低く見えました(実際にAH-1の全高4.1mに対してこちらは3.84mと小ぶりですね)。
そんな訳で、中国人民革命軍事博物館でした。館内の説パネルはほぼ中国語だけなので、読めなければ雰囲気しか伝わりませんが、展示内容は充実していて、中国の考え方が少しだけ、分かって面白い場所です。飛行機の展示も、どれも綺麗に整備されていて良いです。
以上、駆け足でしたが、ざっと人民大会堂と中国人民革命軍事博物館の紹介にです。写真を整理していると、人民革命軍事博物館の外観もそうですが、撮り損ねているものも多々あるので早速再訪したいなあなどと思っていたりします(;´Д`A “`
長くなりますので、次回のエントリーでこの日の午後訪れた、中国航空博物館になります。