「ちきゅう」就航10周年記念一般公開

こんばんは

最近は、嵌っていたオンラインゲームに飽きてきたのでその時間にブログの更新でもしようか思っている管理人です。

さて、先日の11月22日の日曜日には横浜港でJAMSTECの「ちきゅう」就航10周年記念イベントで一般公開がありまして、これに予約していたので学友と行ってきました。首都圏ではなんと十年ぶりの一般公開だったそうです。

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さて、当日は赤レンガ倉庫横からシャトルバスで本牧埠頭への移動となりまして、埠頭内は撮影禁止だった(一般向けの釣り場もある埠頭なので、なぜ撮影禁止なのか疑問ではあるのですが…)ので写真はおおっぴらには載せられませんが、コンテナの並ぶ珍しい光景を眺めながらバスに揺られ「ちきゅう」の待つ本牧埠頭D突堤へ行きます。

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下に大型の観光バスが写って居ますが、自分達の乗るバスは普通の路線バス車両。バスをこんなに小さく感じた事はありませんでした。

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近づくとそこには全長210m、排水量57000㌧の船体が待っています。そして船底からなら130メートルもあるやぐらが載っている訳で、これまで見てきた船よりも大きく、力強さを感じました。

実際、自衛隊の護衛艦いずもには全長こそ劣るもののほぼ二倍程度の排水量ですから、そこの「重み」を感じるのは当然というか…

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タラップを使って船内へ。タラップを上った先は既に地上数メートルですが、そこが「一階」。赤レンガ倉庫横で受付は済ませてあるので特に確認等は無くスムーズに入船。

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入ってすぐ案内されるのはブリッジ。UPPER DK(上甲板・一階).→Aデッキ→Bデッキ→Cデッキ→Dデッキ→ブリッジ(NAV.BRI.DK.)の順に当然階段で6階分上ります。途中に食堂がチラリと見えましたが、この船内では酒が禁止だそうです。

自分でも笑ってしまうこと、計器類の写真を全く撮って居ないので他の写真でお茶を濁します(苦笑

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先ずは手旗信号…これで色々なメッセージを送れるのですから、凄いですね。

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潮の満ち干の情報が書かれたホワイトボード。

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本棚には英語で書かれた資料か説明書を思われるものが。今回の一般公開で見かけた外国人の船員は一人でしたし、外国人の研究員も一人でしたが、それとは関係なく国際的な環境で作業するからには英語は話せて当然なのでしょうね。

さて、ここからは掘削やぐら、研究室、パイプラックを見て下船という短めの流れになります。数年前に神戸で行われた一般公開では色々と船内も見れたそうですが、こればかりは仕方ありません。

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掘削やぐらに移動中に見つけた機械。アニメ作品の宇宙戦艦ヤマト好きとしては、Cascadeの文字に惹かれてしまいました。日本語で書かれたサイトが無かったので怪しいですが、スキューバダイビング等に使われるボンベの充填用の機材の操作パネルと思われます。

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少し先に進めばそこは掘削やぐらの足元です。

このやぐらからパイプを吊り下げ地底へ掘り進むので当然といえば当然、なんと1250㌧もの重量を吊り下げることが出来るそうです。そしてそのパイプを回転させる動力はモーター。ポルシェティーガーも驚き…違うか。

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デリック直下の穴はムーンプールと呼ばれ、ここからパイプ等を下ろします。

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ドリルピット。これらは消耗品です。

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さて、デリックの操作室から船内に入り、階段を下りますと研究室に入ります。先ずはX線CTスキャナー。

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次にコア半裁室

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そして半裁されたコア。こちらは確か南海トラフコーナーに展示されていた実物でした。掘り出されたコアは9.5mの長さがあり研究室へ入れる前に1.5mの長さに切断されるそうです。

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プレートの重なり合っているところのコアを狙い撃ちして掘れたので凄いです、のような解説を熱心にされたのですが当人、この手の話題については下調べせずに来たので、なにか申し訳ない気分に。

ふーんと気の無い返事をしていては何か申し訳ないので、次のコーナーでレアメタルに付いてこちらも熱心に解説していただいた研究員にニュース等で得た少々の知識からそれらしい質問を尋ねたところ熱心に回答されました(苦笑)。

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研究室を出て、上甲板へ戻ります。

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船内では24時間夜勤に向けて睡眠を取られている方々が。船内はお静かに…

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デリックの足元。

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海底を掘る際に必須になる噴出防止装置(BOP)。最大でビル五階分くらいの大きさ。

坑井内の圧力バランスが崩れ、地層流体が坑井内に侵入することをキック(噴出)といいます。このキックを制御しなければ地層内流体が地表まで吹き上げ制御不能の大事故となります。これを防ぐためキックを制御すべく、坑口の上にBOPと呼ばれる噴出防止装置を設置し、キックの兆候があったときに坑井を一時的に密閉します。

引用元:海洋掘削の技術 | JDC 日本海洋掘削株式会社

説明のような対策を取らずに噴出が発生した場合、穴と船がパイプでつながっているので海洋汚染のみならず船が危険な状態となります。もっとも、危機的な場合にはパイプを切って逃げるそうですが…

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デリックの足元をもう一枚。やぐらの奥に黄色いパーツが見えて居ますが、そちらがライザーテンショナーと言いましてパイプの揺れなどを吸収するダンパーです。
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あまりに大きくて甲板からはカメラに入りきらないのがパイプラック。こちらは一本27mのライザーパイプ。ドリルパイプはこれより高い位置に置かれているので、今回の見学では見れませんでした。

このライザーパイプは船体からBOPまでをカバーしまして、この中を地底を掘るドリルパイプが通ります。地底に掘った穴を保護するケーシングパイプも中を通すのでしょうかね…

偉そうに書いてますが、調べながら書いているので間違えていたら恐縮です…何方かご教授を…

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そこは27m先。

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パイプの置かれて居ない場所。サイズ感覚が狂ってしまいますね。

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パイプラックを見た後は直ぐに下船します。船の上から見るデリックも大きいですが、やはり地上から見ると船体の高さも含まれるので大きさが違うといいますか。

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たった今見て来たパイプラック。人との対比が分かりますね。黄色いクレーンはパイプの移動用。

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艦首に移動します。デッキの上には「ちきゅう」の大きな特徴の一つであるヘリデッキがあります。「ちきゅう」の一回の調査は六ヶ月だそうで、調査中の「ちきゅう」は当然移動出来ず、乗組員は1ヶ月おきにヘリコプターで交代するそうです。

東日本大震災時に津波警報を受け、特別見学中の児童を乗せたまま離岸、翌日海上自衛隊のUH60Jに救出されていましたね。素人目にはひ弱に見えてしまう構造なのですが、UH60Jは10㌧程度の機体ですからその重量すら支えられるのです。

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最後に広角レンズですら全てを入れ切れない大きさの「ちきゅう」。ちなみにその錨は15㌧あるそうです。

といったところで、「ちきゅう」一般公開レポートでした。首都圏では十年ぶりとなる一般公開、貴重な機会に参加できたのは良い経験になりました。また世の中にはこんな仕事もあるのだな、と学生の管理人には色々と考えさせられる機会でもありました。次に「ちきゅう」の一般公開に参加する機会があれば、今度は研究室の方々に色々な質問を投げかけられるように下調べして行きたいものです。

ではでは。明日は京成AE100の撮影にでも行こうかと思って居ます。

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