最後の宇高航路「第一しょうどしま丸」

四国フェリーの宇高航路が来月中旬に運航休止されるということで、高松に足を伸ばしてきました。


フェリーは私の写真趣味の主たる被写体ではないですが(とはいえ可能なら好んで使いたい交通機関ですが)、大阪からジャンボフェリーでお安く、そして時間的都合も良く訪れることが出来るなら撮影に行くのも悪くないと思った次第。

神戸発高松行きのジャンボフェリーの深夜便は日付が変わって深夜1時に出航して5時過ぎに高松に到着するスケジュール。今回は「こんぴら2」に乗船。

このジャンルフェリー、深夜料金が発生したり、神戸ターミナルまでのバスが有料だったり、トータルで見ると高速バスの方が安いのではと思わなくもないですが、これが高松に早朝に着きたいとなるとやはり船内で寝れるフェリーが良い。

早朝5時過ぎに高松に放り出されてどうしようかと思っていましたが、出航の遅れと入港遅れ、それに高松駅までのシャトルバス(こちらは無料…)に乗ると程よい時間に高松駅前に到着。

24時間営業の牛丼チェーンで朝食の後、港に移動して宇野発の第1便を撮影。

11月では東側から光線の当たる時間はかなり限られており、また、カーフェリーが頻繁に運行される高松港では桟橋の東側に停泊する姿を順光で拝めるタイミングは限定的。

本当は、ターミナル内で回頭する様子を撮りたかったのですが、宇野発の第2便は桟橋の西側に着岸してしまい敗北。

小豆島を始めとして、直島や大島など多方面へのフェリー、それもサイズのある船が途切れることなく発着する高松港はまさに水上交通の発達した港といった雰囲気で、大変に興奮しました。

高松といえば讃岐うどん。高松駅の横にある「めりけんや」という店で讃岐うどんを昼食に食べた後、高松港玉藻防波堤のへさきに歩いて宇野発の第3便を撮影しました。

洋上を堂々航海する姿を撮影すべく、150-600mmを持ち出したのは正解でした。

レンズを変えてもう一枚。 防波堤のへさきで針路を右に変えるシーンは肉眼で見ていると(船が防波堤にかなり近い位置を航行するので)かなりの迫力を感じたのですが、写真にすると全く伝わらないのが腕の限界を感じます。

列車や航空機と違い、約25km/hで進むフェリーはレンズを付け替えて違う構図も押さえられるのは面白味がありましたが、もっとも、同じ被写体の構図を変えたものを完成品とするのもはどうも負けた気がします。

宇高航路は一日5往復のみで、昼の第3便のあと、次の4便まで空き時間は鉄道の撮影に費やし、日没前に港に戻ってきた。

太陽が稜線に没する寸前の光を浴びて高松港に入港する「第一しょうどしま丸」

鉄道写真を趣味にするファンとして、この角度で黄金色に輝く写真は最高の被写体でありましょう。

第2便で撮れなかった回頭シーンはこちらで。光線は惜しくも…ビル影の隙間から射す弱い光線は、船を照らすスポットライトのようにも見えて悪くない。

鉄道と違って、ゆっくりと動く被写体はやはり新鮮でした。接岸準備を整える船体に陽が当たり、オレンジに染まったピラーは本当に美しい姿でした。

日没後に出航の高松発の第4便。

上海発の蘇州号の2日目、長崎沖で夕陽を見たその日から、洋上で見る夕陽はなんだか特別なものに思えます。

普段の利用客数は知りません。きっと、とても少ないのでしょう。それでも、 別れを惜しもうとフェリーを選んで乗船し、記念写真を撮っている家族や、息子を連れて写真を撮っている人々の姿を船上で見れたのは忘れられない光景となるだろうなと、思いました。

遠くに見える瀬戸大橋。

そして宇野港に到着しました。宇野港からそのまま折り返すので撮影は手短に済ませ、再び船内へ。

高松着の最終便になる宇野発5便で到着し、今度はしっかり三脚を立ててバルブ撮影に臨みました。水面に反射する色とりどりの照明灯は映えますし、マストの電装も素晴らしいです。

出来ることなら、高松発最終便を撮影したかったのですが、 残念ながら高松でも、夜の姿を長時間撮影する時間はなく、20時発の大阪梅田行き高速バスで帰宅と相成りました。


といったところで、宇高航路の撮影でした。何らかの思い入れのある被写体ではありませんが、第一しょうどしま丸の美しい姿を撮影出来て非常に満足です。

よく下調べずに訪問したのですが、この数日前まで別の船舶で代行だったらしいく、危ないところでした。

港町といえば呉です。もっとも、呉は港町ではなく軍港じゃあないかという気もしますが、呉に行ったのは数年前となって当時の写真はかなり残念感が拭えません。近いうちに…かどうか分かりませんが、そのうち再履修に向かいたいところです。ではでは…

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