香東欧遠征2019 ⑤ ザポリージャ・ドニプロ

しばらく間が開いてしまったが、2019年夏遠征⑤。今回はザポリージャとドニプロ編。

年末年始が慌ただしいのはいつものことだが、パソコンのキーボードが壊れたり、起動ディスクのSSDが壊れたり大変だった。そして気付けば2020年まであと数日。

ともかく、 キエフ乗車した072K列車で無事にザポリージャに到着した。

2019.8.15

昨年の旅でサンクトペテルブルクまで乗った「赤い矢」号到着時はサンクトペテルブルクの市歌、「偉大なる都市への賛歌」に迎えられたが、意外なことに当地でも壮大な音楽に迎えらた。何の曲か不明。録音しておけば良かった。 

駅前の電停からトラムに乗って一旦ホテルへ。荷物を置いたら再びザポリージャ駅に戻り、9時半発のエレクトリーチカ6511列車で1時間程南に位置する1141km停車場を目指した。

Plavni-1141km停車場間の2km程度、線路がドニエプル川の上を走る。ここは絶好のストレート区間で、俯瞰も可能だ。優等列車や貨物列車もそれなりの本数が通過し、撮影にはうってつけ。なお、ザポリージャから南へ向かう列車は朝から昼頃が順光、ザポリージャへ向かう列車は夕方順光である。

1141kmに停車するエレクトリーチカは午前3本のみで、6511レはその最後。この文章を書くにあたってキエフ-ザポリージャの寝台を調べていたが、管理人の乗った72K列車はザポリージャまで所要時間11時間半。その一時間程前に出発する116К列車なら19時過ぎに出発して、ザポリージャに翌6時過ぎ到着。7時前にザポリージャを出発するエレクトリーチカ6535列車に乗って朝イチに撮影地に到着できる筈なのだが、なぜそうしなかったのだろう…忘れた。

因みに、ザポリージャ駅の近郊列車の切符売り場は47.793950, 35.188063辺りにある南北に縦長の建屋(旅客駅の裏手)。コインロッカーもある。

線路際をPlavni方面に少し歩いて、良さげな位置でカメラを構える。暫く待っていると、ChS7に牽引された美しい編成美の客車列車が通過した。добре, дуже добре!

光線も悪くなってきたし、何より曇ってきたので昼過ぎに撤収。1141km停車場の周りはダーチャ村のようで、かなり多くの利用客が居た。

例によって、撤収して駅に戻ったところでVL11だかVL10に牽引された貨物列車が通過した。素晴らしき予定調和。


Tatra T6B5SU #425

2019年8月16日。

ザポリージャ2日目は前日の再履修で再び1141km停車場を訪れる予定だったが、起床事故。

昼前に活動を開始し、ホテル近辺を歩き回って幾らかトラムのカットを増やした。

広告ラッピングの車両も多かったものの、ザポリージャ市電塗装はなかなか素敵。ベルリン市電から移転してきた連接式のタトラKT4DtMやザポリージャオリジナル改修のT-3UA-3-ЗПなどバリエーション豊かな市電であった。

昨年の反省点や、SNSの影響を受け、旅行中に柔軟に旅程を変更してVを追い求めるべきだと理解したので、ホテルで時間潰しがてら近くの撮影地を探していた。

当初の予定では1141㎞を再履修して、午後の列車でオデッサに向けて移動する予定だったが、ザポリージャの北部、ドニプロに午後順光のよさげな撮影地を見つけた。そしてドニプロ発オデッサ行きの寝台列車も空席アリ。ザポリージャからドニプロ行きの特急も空席アリ。旅程変更を決定し、ヒュンダイロテム製の「特急電車」で一路ドニプロを目指すことにした。

このヒュンダイロテムの電車は素晴らしい。車内は綺麗で空調は効き、揺れは少なく、そして早い。

鉄道ファンとしては寝台列車、長距離客車列車が活躍する姿はいつまでも見たい。一方、利用者の立場になると日立だろうと、ヒュンダイロテムだろうと、シーメンスだろうと構いません。是非、特急電車に広がって欲しい、そう思いながらドニプロを目指した。

ドニプロ駅のソ連式コインロッカーに、窓口の親切な係員の手を借りて荷物を預け、薄暗い地下鉄で街の西側、Заводська駅で降りた。

ステプノゴルスクでも同じ駅名があった。заводが工場を意味し、 接尾辞のскаяは地名接尾辞で「工場の街」程度を意味するようだ。実際、地図を見ると複数の工場が集まっている様子。すでに記事にしたステプノゴルスクの中ほど辺りにあったSDR工場はポツンと建っていてSDRが駅名で、北部の複数の工場地帯に Заводськаと名付けられていた。

駅から1.5kmほど西に歩き、トラムBaza vtorkolirmet電停当たりの目星を付けていたストレートに到着した。

何本か客車列車を見送っていると、遠くからゆっくりとVL8に牽引された貨物列車がやってきました。ノヴォチェルカッスク電気機関車工場の星を掲げて、H級マンモス機関車が通過する姿まさに壮観。

夕陽を浴びる長編成の列車をストレートで撮れているのは、何とも言えぬ心地よさがあります。当初の予定になかった被写体とはいえ、予定を変えてドニプロに来たのが報われた瞬間だった。

なお、撮影地は48.472004, 34.940105付近。 Baza vtorkolirmet電停の道路側から容易に入れるが、道路に歩道がないので地下鉄駅の辺りから線路脇を歩いてくるのが無難。踏み跡は明白。

日没後、ドニプロ駅に戻ってきた。駅前の写真右手にスーパーがあるので食料調達は容易。ここでは夕食になりそうなものと、ドライクランベリーを量り売りで買った。

中国のレーズンのように油分が少ない仕上がりで手がべた付かず、とても食べやすかった。日本のドライフルーツはどれもこれもベタベタし過ぎているように思う。

キエフの綺麗なスーパーマーケットはインスタント麺すら見当たらなかったが、ここはインスタント麺はあった。アフリカではインスタント麺のパウチに直接お湯を注ぐ食べ方があるから耐熱性のパウチにしているというテレビ番組を見たことがあるが、ウクライナのインスタント麺のパウチにお湯など注いだら間違いなく酷い目に遭う。

ドニプロを22時半に出発する241ПБ列車で予定通り、オデッサに向かう。

照明灯の丁度良い高さに機械箱があったので、カメラを押し付けて手持ちバルブ撮影。乗車が始まると早々に乗り込まないと荷物置き場がなくなるので慌ただしく、こういうカットをなかなか撮るに至らないのだが、雰囲気は良いので今後は積極的に撮りたい。


ザポリージャとドニプロから一枚づつ、お気に入りの写真を記事にできた。帰国して数カ月が経った今見ると、ステプノゴルスクやモルドバ(未執筆)の写真よりもバランスの良い写真に思えて、悪くない。やはり、日本人鉄道写真趣味者には長編成、ストレートはポイントが高い。

一方、ブログ記事としては、写真枚数を減らすと物足りなさはある。 記事を書くほうからすると、この分量でちょうどいいが、工夫のしようはあるだろう。次回以降、そして今後も絶えずの課題で間違いなし。


「香東欧遠征2019 ⑤ ザポリージャ・ドニプロ」への3件のフィードバック

    1. せきざき様、コメントありがとうございます。また、コメントの承認が遅くなり申し訳ありません。このブログシステムのコメント回りはどうにも使い勝手が良くありません(-_-;

      ズボラな私は、音源を特定できるような動画は残していませんでした。ザポリジアンマーチ、そうです、確かにこの音楽に迎えられて駅のホームに降りました。

      更新の遅いブログですが、どうぞまたご覧いただければ幸いです。
      本当にありがとうございます。

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