ラトビア巡検2022秋 2

考えても仕方のない事で悶々と過ごす日々が続いているような、いないような。この旅に出る前から考え事が止まらず、旅行も楽しめないので、とまで思っていたのは確かです。

改めて写真を眺め、楽しかった日々を思い出しながら投稿を書くとする。

2022年10月31日

朝しか光線の回らない場所で撮りたいカットがあったので、日の出前に宿を出る。(日の出時刻は7時半頃であるから、極端に早朝ではないが、投宿が遅かったので、起きれられるか心配だった)

2018.8.21

ところで宿を予約した際は全く気にしなかったし、前夜も気付かなかったが、風景を見て思い出す。ここは4年前にトラムを撮っていて雨が降り出したので退避したマクドナルドが入っている建物である。

【シベリア鉄道・欧州遠征8 ラトビアと、フランクフルトへ】

厳密には4, 5階部分がホテルだから、この写真には写っていないが。

石畳の道を歩いていると、4年前のことは不思議とよく思い出せた。久々の海外旅行に、訪れたことのある街を選んだのは正解だったと思う。

Tatra T3A #31139

旧市街を抜けると、ダウガバ川沿いの大通りに出る。橋の正面を陣取りしばらく眺めていると、坂の向こうから特徴的なポールが見えてきた。

自分は路面電車ファンではないと思っていたが、やはりこの愛嬌のあるトラムはお目に掛かれて嬉しいものがあった。

Tatra T3A #30819

時刻は8時ちょうど。徐々に光線が橋の上まで登ってきた。いよいよ交通量も増えてくるなか、車と車の隙間を縫って朝日を浴びるタトラのカットを手にした。

街灯にたなびくラトビア国旗も良い引き立て役になっている。

トラムの併用橋を後にして、鉄道橋へ向かう。

岸壁沿いの1905年血の日曜日事件を記念したモニュメント。三脚で手がふさがっていたが、これもいずれ破壊されそうだなと思い写真を撮っておく。日本人旅行者の私は全くの部外者だが、オベリスクを爆破解体すれば目障りなものが消えてOKという訳ではないと思う。

では他の当時を記念したモニュメントはどうだ、ラトビア科学アカデミーはどうするのだ、という話にならないのだろうか。

Riga-Torņakalns Train #6411 to Sloka

少し川沿いを歩いて、ダウガバ川に架かる5連アーチ鉄道橋へ向かう。

朝日を浴びてダウガバ川を渡る6連のエレクトリーチカ。実に4年越しの履修である。

この鉄道橋はリガ駅の手前で駅間はRiga-Torņakalns(写真奥がTorņakalns、手前がリガ)だが、TorņakalnsがTukumus II方面【Dubultiem, Slokas, Kemeriem, Tukuma】とJelgava方面【Jelgavas, Dobeles, Liepajas】の分岐駅になっている都合で、時刻表が分かれて掲載されている。方面ごとに形式や両数が分かれているという事もなさそうだが、注意されたい。


ところで、4年前の訪問時「中央市場や旧市街側とダウガヴァ川の間に幹線道路みたいなものが通っているのですが、これをダウガヴァ川側に横断出来る箇所が少なくて余計に歩き回ってしまいました」と書いているのを発見した。今回は当時の記憶のお陰で迷うことは無かったが初見では分かりにくいので紹介したい。

まず、旧市街をダウガバ川側に抜けたGrēcinieku ielaの交差点にある地下道に入る。

地下道を歩いてバイパスの反対側の電停に出る。

電停から岸壁へは横断歩道もあるが、この道路も交通量が多いので、ダウガバ川を渡る併用橋へ回ると歩道が続いている。


移動中にやって来た列車をシルウェットで。

一眼レフは移動中はカメラバッグに仕舞っているので、これは首から下げたfpと40年前のソ連製オールドレンズで撮影。なかなか悪くないと思う。EOS M3なら絶対に撮れなかったカットを得られただけで、持参した甲斐があると感じた。

早朝からの活動で体も冷えたので、朝食を兼ねた休憩へ。お馴染みチェーン店なので気軽に入れる。(なぜかラトビアにスタバは未進出)

流石に日の出前はいなかったが、ダウガバ川から旧市街へ戻っていると、広場でリコーダーを吹いている演奏者がいた。路上演奏者はよく見る光景で、大抵は良く分からない騒音を出しているのだが、この人はジャズ定番の”Autumn Leaves”を吹いているものだから、風情だなあと思った。


休憩を済ませて、タトラの撮影を再開する。

Tatra T3A #30188

折角の晴れを無駄にすることなく、順光で撮影出来る場所を探して、まずはNacionālā opera電停の端から再開した。ここは背後の公園の並木に紅葉が残っていて、秋らしくて良いなと思った。

Tatra T6 #32036

タトラといえばTatra T3だろうという風潮があるが(どこで?)リガのタトラは体感としてはT3とT6が半々くらいでやってくる。

現地調達したわけではないが、2022年10月末訪問時は以下のような運用だった。備忘録として掲載する。

  • 1系統…連接車
  • 2系統…T3とT6
  • 5系統…T3
  • 7系統…T6(T3も少数)
  • 10系統…連接車とT3
  • 11系統…連接車

露語版のWikiによると7系統の更新はCOVIDで遅延、5系統が24年、2系統が29年、10系統が32年に更新らしい。

T6もT3と同じくらいの希少性があると思うが、T3を撮って移動を繰り返していたので、あまり撮影出来なかった。反省。

Tatra T3A #30645

リガ駅西側のAspazijas bulvarisと13. janvara ielaの交差点はインターネットでよく見かける場所だが、この時期は光線が側面まで回るのは朝の早い時間のみ。

4年前の訪問時もここで撮影した。今回は正面だけでも晴れているカットを撮ろうとやって来たが流石に、背後の建物側面が影落ちは目立ってしまう。このT3を撮るために30分ほど粘ったが、なかなか厳しい結果に。

Tatra T3A #30819

実はこのとき、午後から借りるレンタカーの時間を勘違いして、撤収までに時間がないと思い込んでいたため、あまり駅周辺から動いていなかった。(いずれせよ光線が良好でかつ、タトラの走る系統は限られているような気もするが)

先ほどの交差点を右に曲がってきたタトラを13.janvāra ielaの電停で待つ。車両も、背景も順光で非常に好ましい。

Skoda 15T #58523

5系統の運転間隔が広いので、Tatra同士のすれ違いはお目に掛かれなかったが、1系統のSkoda同士は撮影出来た。双方とも原色なので、よい記録になることと思う。

4年前に訪れた駅のコンコース内にあるスタローバヤに行こうと思っていたが、この時はすっかり忘れていて、ショッピングセンターの手軽な雰囲気のイタ飯にて昼食。非常にオススメ。

【Vapiano Origo】


昼食後、レンタカーをピックアップすべく空港へ向かう。

COVID直前の2020年2月のウラジオストクでは車を運転するかもと国際免許証は持参したが、結局、運転することは無かったので、これが海外初レンタカー、初左ハンドル車の運転。

Air Balticの提携サイトから手配しようと思っていたが、提携サイトはいろいろとトラブルの種になるのではとアドバイスを頂いたので、AVISの公式サイトから予約した。

距離制限無し、若年者割り増し無しでMon Oct 31, 2022 at 01:00 PM~Fri Nov 04, 2022 at 01:00 PMの5日間借りて157.40€だから、悪くないと思う。

レンタカーをピックアップしてダウガバ川の南側をLielvārdeの対岸辺りまで走らせた。

午後に列車が来るとは聞いているが、日没まで1時間弱。

果たして姿を見せるか、緊張の時間。ここは旅客列車の廃止された路線。貨物が来なければ、この晴天で何も撮れずに終わってしまう。

背後の背の高い針葉樹林の影が心配になってくる。

Dzelzceļa līnija Jelgava—Krustpils
LDZ Cargo 2ТЭ116-997

待つこと30分、カーブの向こうに光る点が見えてくる。勝利、勝利したのだ。

夕日に照らされた国鉄色TE116牽引の貨物列車を撮影することに成功した。

この感動のシーンは動画を4Kで撮影している。美しい姿を楽しんで頂けたらと思う。

【Latvian Railways LDZ Cargo 2ТЭ116-997 in Ogre Municipality】

Pļaviņasの宿へ向かう途中、アイズクラウクレの南側に位置するPļaviņas水力発電所を渡る。駐車スペースがあったので記念撮影。

このダムの少し手前、Jaunjelgavaへ向かう道路から見た、夕日に照らされるダウガバ川も本当に美しかった。

ぽつぽつと建っている川沿いの屋敷を眺めながら、ダウガバ川でもドニプロ川でもヴォルガ川でも構わないけれど、大きな川に面して、木々に囲まれた家で暮らしたいなと思った。

2019年にウクライナを旅行したときも、いつかカルパチアの山村で民宿でも経営したいと思った。美しい風景を見るとそこで暮らしたいと思うのは当然のことかもしれないし、隣の芝生は青く見えることは当然である。

果たしてそのような静かな暮らしが自分に向いているかは分からないが、いずれにしてもしばらくは満員の京浜東北線に揺られる生活が続きそうである。


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