ラトビア巡検2022秋 5

この更新の翌週は、ウズベキスタンの首都タシケントに滞在している予定である。毎度、旅行のブログを書き終える前に次の旅行に出発して更新が滞るという悪循環だったが、今回はそうならずに済みそうだ。

時系列としてはやや前後する部分もあるが、今回は2022年11月2日の夜から4日の帰国までひとつのエントリーでお届けしたい。

2022年11月2日

リトアニア国鉄のDR1更新車を撮影した次の一手を悩んだが、予定を変えてリガへ戻ることにして、リトアニア北東部の都市Zarasaiからリガへ向けて出発した。

街灯もデリネーターも一切ないような道路を雨の中運転する羽目になり、最悪のドライブ経験となったのは(3)にて紹介した通り。

市街地のやや南側に位置するDodo Hotelへ到着したのが19時。リガ市も弱い雨が降っていたが、ホテルの横に7系統のトラムが走ってたので、撮影へ出た。

Riga Tram Line 7, Daugavpils iela

奇しくも、国鉄線を撮影する予定だった街の名を冠した電停の付近で45分ほど右往左往としましたが、良い具合の瞬間を狙えたのはこの1枚くらい。

肉眼では、街灯のぼんやりとした明かりが良い雰囲気に思えたが、やはり厳しいものがあった様子。そもそも5DmarkIVの発売2016年秋なので、今となっては高感度耐性の限界も止む無しといったところ。


2022年11月3日

翌朝、トラム2号線の終点Tapešu ielaへ足を運んだ。

Tatra T6B5SU #35174

写真の左端に信号機が見えているが、Tapešu ielaの辺りはトラムの軌道と国鉄線が並走している。

趣味の知人がここへトラムを撮りに来て、ちょうど撤収するタイミングでTE116が奥からやってき撮り逃したと聞いていたので、ひょっとしたら国鉄貨物もおまけで撮れないかと期待したが、朝の9:50~10:50までの約1時間の滞在ではお目に掛かれなかった。

遠くの方で入れ替え機が動いていたので、ひたすら待っていればそのうち何かしら来るとは思う。ただ、真横がソビエト団地で地元民の目は多いので、通報されたらイヤだなとは思った。

Tatra T3A #31139

しばらく待っていると、T3Aがトコトコ走ってきた。撮るならT6よりT3という気がする。

リガ初日のNacionālā opera付近の公園の木々は紅葉が微妙に残っていたが、ここは落葉済み。もう少し早い時期に来たらかなり綺麗だと思う。

タトラは片運転台なので、終点はループ線。

ループ線、電停、紅葉した木々(空想)とソビエト団地、鉄道模型のジオラマなんかにはもってこいだと思う。いやあ本当に、ここは紅葉の時期に来たら最高でしょうね。


前回エントリー【公共鉄道インフラの撮影について】で紹介した鉄道博物館は2号線撮影後のタイミングで訪問した。

自分もヤマロ鉄道会社の現役TE3を撮りたいなあ、などと思いながら展示物を眺めていたところ、微妙に晴れてきた。

個人的な感覚としては後継機のTE10/TE116が十分かっこいいし(写真には写っていないが展示されている)TEP60のほうがかっこいいなあと思ったが、ベラルーシの個体が2018年頃に除籍されて世界から現役機は消えてしまったのかな。残念。

晴れているタイミングで沿線に出ないのかという話だが、市外に行くには車で30分は確実だし、どう見てもそれまでに雲が流れそうだったので諦めて市内へ戻った。


リガの団体がウクライナへ寄贈し、前線で活躍した車両がラトビア軍事博物館で期間限定公開されているというので、見てきた。

車両は日産・フロンティア。愛称はОрлик (The Eagle)と呼ばれていたそうだ。

イジュームで物資や傷病者の輸送で活躍したのち、バフムートへ転属したと紹介されていた。弾痕や割れたガラスが生々しい。

宿の傍に泊まっていたウクライナナンバーのメルセデスだ。結構部屋数の多い宿だったので、ひょっとしたら避難民を宿まで乗せてきたのかもしれない。

詳細は分からないが、こういったバスは他にも市内を走っているだろうし、市民の意識は高まるよなと思った。キエフまで1,000キロ陸続きは近いのである。


14時頃まで旧市街で時間を潰していた。休んでいる間に、分厚い雲の下の方が切れていることに気付いた。このままなら日没前に太陽が雲の下に出そうだと思った。

午後は順光になる区間がリガの南東にある。急いで、車を走らせた。

Train #6227 ER2-134105R

旧市街から約20km、Salaspilsに近いDole駅へ向かった。

到着時は思惑通り晴れていたが、あと少しのところで太陽は分厚い雲に隠されてしまった。遠くに見えている晴れ間がその痕跡である。あと列車が5分早ければ…こればかりは仕方ない。


日没後、リガ駅へ足を運んだ。

DR1A 291.3

本当は、今回の旅で原型顔DR1Aの6連を拝みたかったが、6連どこか原型顔を拝めたのはこの夜だけだった。

とても美しい車両だと思う。ウクライナやベラルーシで活躍する編成もいつか撮りに行きたい。

余談だが、この編成は発車間際だったので動画を撮ろうと構えていたら、後ろから入線してきたDR1更新車に被られて発車シーンを拝めなかった。つくづく残念な感じである。

DR1更新車は顔がもう駄目だが、銀ベースの塗装は水銀灯にかなり「映え」である。

2022年11月4日

この写真はラトビア初日の午前10時半に撮影した。右後方にアーチ橋が見えているが、ダウガバ川を渡ってリガ駅に入線する貨物列車の姿だ。

Tukumus-IIから先は旅客専用になっている(ハズ)なので、Ventpils方面の路線も含めて、ダウガバ川西側からリガを通過する列車は起点に関係なくJelgavaを経由することになる。

つまり、この貨物列車が毎日同じ時間に運転されているならば、Torņakalns~Jelgavaでお目に掛かれると推測できる。経路上のBaložiの駅へ10時前に向かった。

Train #6720 Jelgava-Riga

結果は、11時過ぎまでの1時間で旅客列車を4本ほど見送ったのみ。

各方面の貨物列車が必ず通過する区間なので、何かしらお目に掛かれると思ったが、非常に厳しい結果だった。

これでは不完全燃焼としか言いようがないが、長時間線路脇で粘った挙句また拿捕されても嫌なので、そこそこに切り上げ、空港へ向かってレンタカーを返却した。

LH 891 RIX 14:55 FRA 16:15

搭乗日はルフトハンザ以外に、リガ17:10発のAirBalticのフランクフルト行きもあり、しかもこちらのほうが安かった(と思う)ので予約時は悩んだ。

しかしCOVIDの影響でフランクフルト空港の混雑が激しいという話があり、ターミナルも異なれば出国手続きも必要なので乗り換え時間が3時間半は怖いなと思ったので、乗り換え時間が余ることは仕方がないと、ルフトハンザ便にした。

結果は、やはり1時間ほど完全に暇して制限区域内のベンチで倒れて過ごすことになった。毎度空港で時間を無駄するが、やはり個人的には、慌ただしく思うより暇しているほうが良いなと感じるので、ここは割り切るところ。

2022年11月6日 帰国

フランクフルト発のSQ325便にて11月5日の夕方にチャンギ到着。その後、羽田行きのSQ636便に搭乗。

11月6日の定刻通り、朝6:20に帰国となった。

やはりこの時期の関東は朝から素晴らしい晴れ空が広がっており、フランクフルトとリガ初日以外晴れなかったヨーロッパは何だったのか…と思わざるを得なかった。


帰国後に改めて写真を現像・プリントしたり、ブログのための写真を選択していると、初日以外晴れなかったとはいえ初日の撮れ高が十分すぎるからトータル良かったのでは…?という気がする。

ただ、そもそもTE116とDR1を狙いに行っていたわけなので、TE116が2枚とDR1も2枚。しかも駅撮りというのは不完全燃焼感が相当残っている。

このTE116に対する不完全燃焼感は他のソビエト大型機関車を撮影すれば解消できると思うが、DR1に対する不完全燃焼感の解消は難しい。

それに加えて、最近は趣味との付き合い方を考え直す時にあると感じている。この趣味を続けるか、とても悩んでいる。

ともかく荒療治というか対処療法というか、感情が悪化するだけな気もするが、ひとまずは、ウズベキスタンに行ってソビエト大型機関車との再会を満喫したいと思う。

来週からの旅行の発端となったTweet。あまりの不完全燃焼感に、フランクフルトの制限区域内のベンチで倒れながらこんなことツイートをしていた。


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