昨年の欧州遠征がいつまでも書き終わらない要因は、写真が多過ぎた所為だと思ったので、今年は成果物に絞るように記事を書いている。しかし、それなら写真をAdobe Portfolioでも公開すればいいのではないか。ブログだからこそ、余計な雑談を含んでもいいのではないか。
旅行記を書くのは本当に難しく、悩みは尽きない。
兎も角、今回は香東欧遠征2019 ④ キエフ編。モスクワから乗車した065М列車で無事に国境を通過し、キエフに到着。
午前中を過ごす予定の撮影地は侵入不可になっていたので(乱入は容易だったが、現場の様子を見て断念)、予定を変えて街の北西部へタクシー乗った。ウクライナはYandex TaxiではなくUberが使える。
タクシーに30分ほど乗り、Pushcha-Vodytsiaという場所に到着。森に囲まれ、キエフの喧騒から切り離され、歴史的にも「都市型ダーチャ」といった場所。
ここを走るトラム12系統が森の中を走る姿は良い被写体という訳。
日本人のトラムファンのブログを参考して、13-A Liniiaと11-A Liniiaの付近でうろうろ。
両側のミラーが下から取り付けられているタイプはキエフ生え抜きの車両ということで、この#5802は1982年の製造以来キエフで走っていますが、上の#6018は2016年までプラハを走っていたらしい。
ここは線路の真上まで木々が成長していますから、初夏や秋辺りがベストシーズンではないでしょうか…初夏も秋も日本人は長期連休が無いですから厳しい時期ですけど。
トラムの撮影にも慣れていないですし、こういったスナップ写真的な雰囲気にも慣れていないので現像はLightroomのプリセット任せです。木々はツヤのある緑とでも言いましょうか…眩しい感じ。
撮影に一通り満足したので、時間の浪費も兼ねてトラムで市内に戻ることにした。
始発のPusha-Vodicaまで少し歩いて、終点のKontraktovaya ploshad’まで1時間ほどの乗車。約20キロの距離を1時間なので、普通に悪くないです。
12系統の終着、Kontraktovaya ploshad’の近くに位置するウクライナ国立チェルノブイリ博物館に行ってみましたが、あれは博物館ではなく、美術館とか陳列館の類です。博物館とは言えないと思う。
一応名所も見ておこうと独立広場を眺めに行きましたが、意味不明な被り物を来た押し売りが目障りで数枚シャッターを切って撤退。
午後になり、順光になる撮影地へ出発。キエフ市郊外のMalyutyanka停車場まで「エレクトリーチカ」で向かいます。郊外に向かう列車など空いているかと思ったら、日本の満員電車並みの混雑で参りました。
到着時こそ思惑通り晴れていて、これは素晴らしい半面光を狙えると満面の笑みを浮かべたものの、直後、太陽は雲に覆われ…残念。
ChS4牽引の客レ。ウクライナ国鉄カラーを纏った正調編成は微妙な天気でも文句ナシでしょうか。
作例がまさにVL80牽引の貨物列車でしたので、流石に2時間後の撤収電までに1本くらい撮れるだろうと構えていたらタイムリミットギリギリまでやって来ずに焦りました。
赤い星でも、 車両工場のロゴでもなくウクライナ国鉄のロゴを掲げているのはご愛嬌です。残念。
20時過ぎ、定刻より15分近く遅れて到着した撤収電。この列車の次は21時台の終電しかなかったので、列車が運休になっていたらどうしようと肝を冷やしました。
Malyutyanka停車場では切符が購入できず、検札も来なかったのでキエフ駅到着後にホームの端っこにある窓口で切符を購入して改札を出ました。他に停車場から3,4人乗ってきたのですが、彼らはどうしたのでしょうか…
翌日、8月14日。
キエフ市内には手軽な午前順光撮影地が見当たらず、また、当日は夕方の夜行列車で移動するのでMalyutyanka停車場も再訪できないという微妙なタイムスケジュールの一日。
モスクワでそうしたように、メトロの構内を撮影しようかと思って一旦地下に潜りましたが、戦車でも見るかと気が変わったので地上へ。
タクシーに乗ってドニエプル川沿いのナヴォドニツキ公園へ。
高さ100mを越える祖国の母像は壮観ですが、足元の博物館自体はどうなんでしょう。学生ボランティアみたいな人にパンフレットを押し付けられましたが、中の写真はこちらも美術館とか陳列館の類だなと。
局地紛争博物館は入場料と別に撮影料まで求めるクセにぎちぎちに押し込まれていて微妙な感じがしたので入っていませんが、公園内に置かれているT-10Mと祖国の母像の足元に置かれている3両のMBTは見ものです。
ドニプロ川沿いを歩いて、地下鉄ドニプロ駅へ。但し、ドニエプル川沿いの遊歩道を歩いても地下鉄駅には直結していません。国道は頑張って渡りましょう。
メトロには旧型から比較的新しい車両まで走っている筈ですが、割合としてはこのタイプが多いように思います。個人的には、運転台中央にライトが4つ並んでいるタイプが撮りたかったのですが、それは写真に収められませんでした。
全く無計画に移動していましたが、やはり折角の晴れは無駄にできません。別の、午後順光になる撮影地の候補はあったので訪れることにしました。地下鉄と マルシュルートカ 、タクシーを乗り継いでボルィースピリ空港方面にある路線へ向かいました。
撮影地情報を集めている段階で時刻表を検索していて、客車列車は恐らく来ないだろうというのは把握済みでしたが、実に一本も通過せず。経路上にヤードや短絡線があるので貨物は期待したのですが、こちらも戦果ゼロ。
撮影時はなんと微妙な戦果だと思いましたが、6連のエレクトリーチカを順光で撮れたのは決して悪い結果ではないんですよねえ。
Mala Oleksandrivkaからは国道上のバス停からバスに乗って撤収できる予定が、国道に出てもバス停は見当たらず、時間になってもバスは通過もせず。幸い、Uberのタクシーが近くを走っていて一命を取り留めました。Uber、自分が郊外に居ると呼んでもまず来ないんですよね…
兎も角、なんとか市内に帰還。そして午前中に撮った地下鉄駅の写真もそうですが、こちらも駅名を失念してしまいました。旅行先ではSwarmで訪問先の記録を付けているのですが、今回の遠征ではかなり疎かになっていて、非常に反省点です。
夜行列車に食堂車が無いことが判明したので、ちゃんと買い出しを済ませて19時半にはキエフ旅客駅に到着。
食糧事情。ロシアではカップ麺が手に入りましたが、ウクライナでは手に入らないですね。キエフ駅の目の前にある大きなスーパーなのに見当たらず、翻訳アプリ片手にわざわざ店員に訊ねてみましたが、乾麺の売り場に案内されました。
20時12分発の072K列車で次の目的地、ザポリージャへ。
一応、空調付きの車両でしたが出発前は空調が動かず、出発後も効きが非常に悪くて大変な列車でした。深夜になってようやく効いてきたように思います。車軸発電機で空調を動かしているのでしょうねえ。
本当は別のエントリーを投稿する予定でしたが、気が変わったのでキエフ編を先に出しました。
冒頭で書いた欧州遠征の記事はもう完成しないと思います。この東欧遠征記事をその二の舞にはさせない。その思いで書いています…そりゃ違うか。
次こそ、高松に行ったお話を書きたい。ではでは。