ウズベキスタン荒野鉄 ⑤ 最終日と帰国

有益な情報を含めたエントリーではありませんが、ここまで書いてきましたので、最終日と帰国までの様子も紹介したいと思います。一応、オチがあります。

2023年2月24日がタシケント滞在の最終日、24日深夜のウズベキスタン航空に搭乗し、2月25日に韓国経由で帰国しました。

2023年2月24日

昼過ぎの列車で乗り鉄を計画しましたので、午前中の時間は会社や家族へ配る土産を買いたいと思い、バザールで買い物をしたいとリクエストしました。

どのバザールへ行くかは決めておらず、目に留まった”Sergeli Dehqon Bozori”(セルゲリ地区農家バザール、といった感じでしょうか)へ入りました。バザール自体は豊富にあると思うのですが、いざ行こうとすると、良い場所に見当たらないものです。事前に調べておけば、土産物を買うのにより相応しいバザールはあると思います。

農産物のバザールということでしたが、他の雑多な小売店も並んでいて、この写真でちょうど右手にフレームアウトしている菓子を取り扱っている商店で箱入りのバクラヴァを買いました。

写真すら撮らずに食べてしまったのを反省しているのですが、WEBで単にバクラヴァと検索してトルコの菓子として紹介されているものとは異なるもので「ウズベキスタン バクラヴァ」などと検索すると出てきますが、生地の密度が高く、中にもドライフルーツやナッツが練り込まれているものがウズベク式のようです。


午後になり、タシケント南駅にやってきました。

ウズベキスタン鉄道はチケットレスで列車に乗れますが、切符売り場でスマホ画面を見せると紙の切符を発行してくれます。乗車後は回収されるのですが、下車時に返却されるのがソビエトスタイルなので写真も撮らずにいたら、下車時に返してもらえませんでした。アイヤーツ

ウズベキスタン鉄道 ネット予約 完全解説 2022

アプリの使い方はフォロワー様の記事で紹介されています。露語・ウズ語・カザフ語の表記ブレのため検索にコツがいりますが、カザフスタン鉄道の切符も買えます。

2023年夏の時点で、Androidユーザーがカザフスタン鉄道の切符を国外から買うのはウズベキスタン鉄道アプリ一択です。iPhoneユーザーでApple Payが使える場合は外部サイトのTickets.kzが使えます。こちらは表記ブレを許容するので検索が容易です。

カザフスタンやロシアなど周辺国であれば(手荷物検査はありますが)駅構内に勝手に入れるのでこの風景は誰でも見れますが、ウズベキスタンでは切符を持たないと駅構内に入れません。

という事情があるので、今回は1区間だけですが長距離列車に乗ります。

054Ф Tashkent Yuzhnyy — Kungrad

ウズベキスタン鉄道の駅構内での撮影はあまりいい顔されません。先頭でちょっと撮っているだけで追い返されました。機関車は中国中車製のO’ Z-Y型。塗装は結構好みです。デザインはまあ、マシなほうだと思います。

この列車はナヴォイまで506 kmで所要時間6時間ですから、疲労しながら路面状態の悪い道路を運転したかを思うと、鉄道移動しか勝たんと思います。

今回は、一駅先のGulistanまで112 km 1時間10分程度です。

ウズベキスタン鉄道(に限らず、ロシアやカザフスタンなど旧ソ連圏の鉄道全般ですが)長距離列車の座席が満席になりがちなところ、運よくプラッツカルトの下段を取れました。が、足腰が悪いと言う爺が移動するゼロで横たわっており、なんだかなあと思いました。

15時14分Gulistanに到着。出発する列車を撮影しているだけの短時間で、構内放送で追い出されました。

特に見所の無い駅です。

近郊列車用の切符売り場で改めて切符を購入し、15時50分Gulistan始発のタシケント南駅行きのエレクトリーチカに乗ります。

この区間のエレクトリーチカは1日4往復しか走っていないので、長距離列車より貴重度が高いと言えるかもしれません。

今回の旅では最後まで丸顔には出会えず、定番の角顔でしたが、車内外ともに綺麗に維持されていて良い雰囲気でした。

特に客車のほうは国章がプリントすらされていない車両も混じっているなか、リーチカは国章を付けていたのが高得点です。

RegioPanter EMUs for Uzbekistan

ウズベキスタン鉄道はSkodaからRegioPanterを30編成導入とのことで、旧型のリーチカもそろそろ終了でしょうか。別の記事にはヒュンダイロテムから高速列車6編成導入と書いてありました。在来線用の速度向上は鉄道移動の快適性を飛躍的に向上させます(ウクライナでの実体験)日本も在来線用高速列車の輸出に力を入れるべきです。

タシケント南駅へ戻ってきました。

この後「脱北者が出て休業疑惑のあったタシケント北朝鮮レストラン」で夕食会を楽しみ、空港へ向かいました。

Googleで「실크로드, 이전 내고향」と検索すると、タシケント州立交通大学の南端の辺りに出てきますが、現在は閉業中のようです。

ウズベキスタン航空 HY511 TAS (22:30) → ICN

北朝鮮レストランからタクシーで空港へ向かい、仁川行きのウズベキスタン航空に搭乗。

往路では気になりませんでしたが、復路のフライトは韓国へ向かう出稼ぎ労働者とその家族専用機といった様相でした。機内の設備は整っていて、食事も普通なのですが、とにかく騒がしくて落ち着きのないフライトでした。

隣の青年に入国カードを書くのを手伝ってくれと言われたり、税関申告書の質問事項の意味を聞かれたり、ややこしかったです。


2023年2月25日

翌日の9時半頃に仁川国際空港に到着。

前日の昼頃(Gulistanまでの列車に乗る前くらいから)喉の痛みと倦怠感を無視できずにいたのが、いよいよ限界に。倦怠感もありましたが、それより喉の痛みが深刻でウズ航空の機内食は食べられませんでした。

Peachの羽田行き深夜便を予約していましたので、日中は首都圏電鉄の撮影や九龍ICの撮影地を久々に再訪と考えていましたが、とてもとてもそんな体調ではなく、昼過ぎの大韓航空で帰国することにしました。追加出費2万5千円也。

薬局で漢方薬の痛み止めを適当に買って、搭乗ゲートの前で寝ていました。大韓航空は第二ターミナルで旅客が少なく、快適です。

大韓航空 KE705 ICN (14:00) → NRT

大韓航空の搭乗は十数年ぶりでした。印象が強烈なので何度か書いているかもしれませんが、薄暗い機内で朝食にビビンバが出てきたのを良く覚えています。コチュジャンはチューブに入っていました。

当時はジャンボジェットだったと思いますが、今回は最新の737MAXです。初搭乗。

京成スカイライナーに乗って自宅へ。

体調も悪いので写真も少なく、旅の終わりにしては味気ないものですが、これはいつものことです。

帰宅後に掃除洗濯を済ませて布団に倒れ込んだ後に発熱。体調不良は、つまりこういうことでした。

2月は学生も休みですから、Twitterを見ていても旅行に出ている方は大勢いましたが、かなりの割合で帰国後に体調を崩している印象を受けました。「日本はそこらじゅう除菌のしすぎで免疫が弱った」などと書くと胡散臭い感じですが、そうとしか考えられません。


ここまで、2023年2月18日から25日にかけてのウズベキスタン旅行でした。

旅の終盤の体調不良は仕方がないですが、これを別にすると大きな反省点としては、同行した2名の方はロシア語が使えましたから、地元民に話しかけられた場面では会話を任せきりになってしまったというのがあります。

この反省を踏まえて、2023年8月のキルギス・カザフスタン旅行では積極的に言語を使えたと思いますので、ひとつ良い経験でした。

2018年3月に訪問した中国・撫順の専用線は私が初めて本格的に撮影した海外の鉄道です。そこから約5年後に、同じく露天鉱の専用線を訪れたという点で、アルマリクGMKへの訪問この趣味のなかでひとつの到達点だったように感じます。

露天鉱専用線で始まり、露天鉱専用線で終わる…訳ではなく、この後にキルギス・カザフスタンを訪れてはいますが、5年間の集大成として一区切りつけることが出来たのではないかな、思います。

自分でもすっかり忘れていましたが、フランクフルトの制限区域内のベンチで倒れてツイートしたのは、もう1年前のことでした。


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