ウズベキスタン荒野鉄 ④ アルマリクGMK

ナヴォイ州バラカラックの砂漠にてUzTE16M3を撮影した翌日(2023年2月22日)はサマルカンドを経由してタシケントへの移動日とした。

サマルカンドでは再びスタン系男子様(@jv_samarkand19)と合流し、観光案内所を手伝っている現地の外国語大学の学生と交流する時間もあり、普段の鉄道写真だけの旅にはない、貴重な経験をすることができた。

2023年2月23日

この日はタシケントの南東の街Angrenのダム湖を背景に撮影しようという案もあったが、最終的にOlmaliqの露天鉱へ向かうこととした。

露天鉱の中に階段状に敷かれた線路に立ち入っている写真も含めて、写真がWEBにちょこちょこ投稿されているので撮影は恐らく可能だろうと思われたものの、具体的なスポット探しには少し手間取った。下記リンクの写真を頼りに、市街地南端の線路が北西~南東に走っているエリアを目指す。

ПЭ2У-032 — Photo — RailGallery

遠くに見えている黄色い門型クレーンがヒントになった。

タシケント南駅近くのホテルから撮影地まで車で1時間半ほど。公共交通の場合は部分開通している環状線の7-Bekatの辺りからタクシーか、市内からバスになると思うが、今回はレンタカーなので詳細は不明。

ПЭ2М-348

線路をしばらく歩いてお立ち台に着くと、すぐに1本目の列車がやってきた。

撫順以来5年ぶりの鉱山鉄道。この雰囲気はたまらない。

ПЭ2У-102

放牧中の羊は写真に見えている爺様の家畜で、食用するらしいのだが、ネット情報によるとアルマリクは「地球上で最も金属汚染が進んでいる場所の一つである」とのことで、それでよいのか…とは思う。肉はもちろんのこと、毛にも蓄積するよね。

ПЭ2У-094

日本の撮影地を巡って写真を撮っていても、ここまで綺麗な光線で撮影できる機会はそう多くなかろう。

ТЭМ18ДМ-3202

ПЭ2У-094の編成に補機として連結されていて、ちょうど目の前で開放していった。

ПЭ2У-095

振り返ると冠雪した山脈が見えている。タジキスタンとの国境を隔てるクラマ山脈ではないかと思うが、定かではない。

ПЭ2は機関車のほかに電動貨車2両を1ユニットとして運転していて、タイミング次第では電動貨車が先頭に来たりする。このカットを撮った時はイマイチだなと思ったが、改めて見ると結構よいかもしれない…


事務所とПЭ2オブジェ(40.822107, 69.622327)

昼頃になって光線が悪くなってきたので、整備拠点を見物しようと移動した。

駐車場から少し階段を上るとすぐにヤードが広がっているのだが、さあどうしようかと様子を伺っていると作業員が中に招いてくれた。

同行者の2名が車内に招かれて見学(狭いので1人ずつとのこと)させてもらったところで、偉い人がやってきて追い出されてしまい、私は残念ながら車内に入れなかった。

ドアの脇にメーカーズプレートが取り付けされていて、車両はウクライナのドニプロ車両工場製なので、遠くからやって来たんだなあと思ったのが感想である。

この3両のなかでは右端の340号だけがПЭ2Мで他2両はПЭ2Уなのだが、全て塗装がバラバラなのも面白い。


整備拠点のすぐ近くにある露天鉱の展望台(少なくともGoogle Mapにはそうプロットされているし写真も投稿されている)に行こうとしたが、手前の検問所(40.825474, 69.625715)で「カメラNGで100米ドル」などと言われて流石にあほらしいので引き返した。

40.848125, 69.560335

ここまでは撮影地と整備拠点と展望台とすべてアルマリクの南エリアだったが、中央部の工場が密集しているエリアへ移動した。

こちらのエリアにも別の露天鉱があるが、お目当てはアルマリクに2ユニットしかいないと思われる2TE116とした。ただ本当にこのエリアで活動しているかあまり自信はなく、非電化エリアは工場の入換線しかないように見えたことと、何か作例から目星を付けてやって来たのだが、どの作例を見たか失念してしまった(後ろの工場を必死に探したのだけは覚えているのだが)

2ТЭ116-1484 — Photo — RailGallery

本当は、このリンク先で紹介されている場所へ挑戦してみたかったが、残念ながら場所不明である。

2ТЭ116-1484 (16869679/16869687) + МПЭ2У-002

良く分からない写真にはなってしまったが、2ТЭ116とМПЭ2Уともにアルマリクに2編成しか存在しないペアなので、これはこれで良いものが見れたのではないかと思う。

アルマリクの機関車はウズベク国旗カラーを基調にしつつ、微妙に異なるカラーとなっているが、最新型であるМПЭ2Уだけは側面までウズベクカラーとなっていて、一目で判別できる。


ПЭ2М-361

午後になり空模様も回復してきたので、お立ち台へ戻る。

ПЭ2М-328

はるかウズベキスタンまで望遠レンズを持参してよかったなあと思う。今回のアルマリク訪問でお気に入りとなった一枚。

ПЭ2У-094

非鉄の知人推奨で、アルマリク訪問でお気に入りとなった一枚。危なっかしいくらいに鉱石を満載しているのが良く見えるし、背景の山脈も良い。

ПЭ2М-258

ПЭ2М-328の構図で日没前にもう一枚を狙うも、そう都合のよいことはなく…

朝から撮影した写真を再確認すると、鉱物を満載した列車については、3本あるうちの北側の線路(この写真で最も奥側)を使っている場合がある。空返は必ず南側(この写真では手前側)の線路。

惜しくも思惑通りのエンディングとならなかったが、同じタイミングでやってきた列車はカーブの奥の方で灯火類をフル点灯にしてくれた。狙って撮れる姿でもないので、嬉しい。

もっとも、この編成の後姿を見ながら、この光線でПЭ2М-258撮りたかったなあと思うのだが。

ТЭМ18ДМ-3187

アルマリク撮影はこれにて終了。

最近のロシア製機関車はあまり素敵なデザインと言い難いものもあるが、ТЭМ18ДМは2017年製でありつつも武骨なスタイルを維持していて非常に好ましい。


日没後のお立ち台。

この後、線路を歩いていると、発破をかける爆発音が聞こえてきて驚いた。

車へ戻るとすっかり日没。

ところで、何も考えずに築堤の真下に車を止めたのだが、貨車からは鉱石を詰みすぎて線路脇に落石多発しているので、築堤の真下には車を置かない方が良い。

駐車スペースは40.824436, 69.615794の空き地。地元民の駐車場になっていて、混雑率高め。

タシケントへ戻らず、アルマリク市内のレストランで夕食とした。魚のシャシリクに挑戦したが、激マズだったので頼まない方が良い。

OILAVIY MILLIY TAOMLAR


参考情報

“Промышленные будни” или поход по Алмалыкскому ГМК タシケントの公共交通機関公式ウェブサイトの掲示板のアルマリク訪問記。ここでは露天鉱の展望台に入っているのだが…

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